フードプランナーとして活躍している、渥美まいこさん。Instagram界隈での食トレンドに注目しているそうです。今回は、食ブームという現象を「キッチン用品」の観点から考察。優れものの調理器具を紹介しながら、いかにして食ブームが生まれていくのか、その法則について渥美さんの目線で語ってもらいました。

食ブームを生み出すキッチン用品。“スキレット”に続くトレンドアイテムを探せ!

 日々、私たちのSNSタイムラインを賑わせる“食ブーム”の情報。「今年はこれが流行りそう!」とか「こんな味わい方も◎」といった内容に、ついつい心躍る人も多いはず。

 食は、もはや”共通言語”。老若男女、国や地域を問わず盛り上がれるのが嬉しいですよね。

 今回はそんな食ブームを「キッチン用品」という切り口で見てみようと思います。

ジャーサラダ、塩レモン、カフェ etc... 調理器具から始まった食ブームたち

 覚えていますか?

 数年前に、空前のメガトレンドとなった「塩レモン」や「ジャーサラダ」を。

 塩レモンは、レモンを塩漬けして発酵させた手作り調味料です。パスタやお肉、魚料理やドレッシングにも活用でき、比較的保存に長けていることから、「塩麹」の後継として2013年頃に話題となりました。

 続いてジャーサラダ。煮沸したジャー(瓶)の中に野菜やオリーブなどを美しく詰めて重ねる、層の美しさが魅力のサラダです。“断面萌え”の先駆けでもあり、現在のサラダブームの前哨戦のような存在として強く存在感を残した食トレンドでした。

 そんな両者に共通の調理器具、それは「メイソンジャー」です。

 密閉性の高い広口瓶であるメイソンジャーは、元々はアメリカのブリキ職人、ジョン・ランディス・メイソン氏が1858年に発明して 特許を取得し、大量生産が始まったもの。この瓶の活躍なくして、塩レモンやジャーサラダのブームメイクはあり得なかったでしょう。

 最近の食トレンド(特に家庭で楽しむもの)の共通事項として挙げられるのは、“カスタマイズ性”と“記号性”だと思います。カスタマイズ性とは、作り手次第でアレンジしてOKという自由度。これがないと、さまざまな人が楽しめず、まずブームになりません。

 ただし、カスタマイズ性だけではだめ。ブームはすぐに萎んでしまうでしょう。中に入れる食材が自由だからこそですが、ブームとしてのシンボルがないと、たくさんの人が作るメニューの共通性が保てないというわけです。

 ・塩&レモン×メイソンジャー=塩レモン

 ・サラダ×メイソンジャー=ジャーサラダ

 ・調理食材×野田琺瑯=作り置き

 などなど…。

 ジャーサラダも塩レモンも、ジャー(瓶)に入れなければ、俗に言う“塩レモン”や“ジャーサラダ”として認識されないかもしれません。そんな記号の役割を果たすキッチン用品が、たとえば100円均一のショップやIKEAなどの身近なところで手軽に手に入る環境だと、ブームメイクに繋がる可能性が格段に上がってくることでしょう。

 まとめると、今は食材もニーズも多様化して、みんなが一つのブームに乗っかるのが難しくなっています。そんな中でも際立って話題になっているブームは、「どんな食材でもOKだけど、何か“記号”のような共通の存在がある(それを今回はキッチン用品としています)」から、ブームとして成立できているのだと思います。

 “おうちカフェブーム”といったら、火付け役は「スキレット」。スキレットで調理する食材は、目玉焼き&ウインナーでも、ハンバーグでも、ナポリタンでも問題なし。「スキレットに入っている」=「おうちカフェ」と理解され、浸透していったお手本だと思います。

 そんなキッチン用品がきっかけの食トレンド。

 どんなものがあるか、少しご紹介しますね。

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