人気ブログ『少ない物ですっきり暮らす』を運営する、やまぐちせいこさん。ミニマリストの持たない暮らしだからこそ気付ける、小さな幸せがあるといいます。やまぐちさんが最初に見つけた幸せはなんだったのでしょうか?

持たない暮らしの小さな幸せ

 2015年ミニマリストというライフスタイルが流行語大賞にノミネートされました。ミニマリストとは「最小主義」という意味で、自分に必要な物を厳選し暮らすライフスタイルの総称として「ミニマリスト」と呼ばれています。

 私は2013年から「少ない物ですっきり暮らす」というブログを運営しています。私がミニマリストの道を歩み始めた背景には、我が家が転勤族だったことがあります。私より一つ年上の夫と、現在中学三年生の息子と、今年中学生になった娘の四人家族。引っ越しを繰り返し、徐々に物が少なくなりました。片付けが苦手な家族が「あれが見つからない!」「これがない!」と大騒ぎする毎日に「これは何とかしなければ」と、物を整理し始め、暮らしに変化が起きました。

今の自宅はこんな感じです
今の自宅はこんな感じです

 朝から大騒ぎしていた家族の「物が見つからない!」が無くなり、穏やかな朝を迎えることができました。物を整理する中で「私はどんな暮らしを送りたいのだろう?」と、自分に問いかける作業の中で、私が見つけた最初の幸せは、

 「今日も無事に家族を見送り、いつも通り家中を掃除できる幸せ」

 でした。

 子供が夜間高熱を出してしまうと、朝一番に病院の窓口へ向かい病院の受付で熱に浮かされながら辛い顔をした我が子と過ごす。自分自身の体調不良や精神的に気分が落ち込んだ日は、「掃除しなくちゃ……」と思いながら体が動かない。自分も家族も誰かに何かがあると、いつも通り掃除ができない。私にとって、朝をいつも通りに過ごせることは、それだけでもとても幸せの象徴になりました。

 朝8時。私以外誰もいない家の中。テーブルや棚の上をどんどん拭いていきます。汚れが落ちると同時に、少し積もった埃が綺麗に取り払われ、雑巾で拭いた後の棚が光の反射でキラッと光る。窓を大きく開け、外の風を家の中に招くと、昨日悩んでいたことやモヤモヤしていたことも一緒に風が流してくれる気がします。

模様替え好き・掃除嫌いが変わったきっかけ

 私自身、片付いた部屋は好きでしたが、そもそもズボラで掃除自体はそれほど好きではありませんでした。私の場合ですが、気持ちが落ち込んだとき、時間の管理ができなくなると、みるみる部屋が荒れて汚れていきました。まさに「部屋は心の鏡」が出やすいタイプだったのです。

 5、6年前はインテリアもストレスが溜まると模様替えをして気分転換をしていました。模様替えをするたびにお金の無駄遣い。掃除する時間を棚上げして買い物へ行き、パッと見て部屋は整っているけれど、棚は埃まみれ。お洒落な雑貨も何だかくすんで見えました。

 インテリアにも凝りましたが、一時期風水にもハマりました。東に赤が仕事運・西に黄色が金運……。風水を気にしてみたり、流行のインテリアを取り入れたりするうちに家の中が色々な物でギラギラしました。

 そのうちに、風水とは「風と水、常に流れる自然のものを自然のままに受け入れ、その流れをせき止めず常に流れること。せき止めた水と空気は淀み濁り始める」という考えに触れました。

 表面的に部屋を片付けたり、西に黄色の物を置いたりする以上に、部屋の空気を流し、風の道を作り、光を入れ、精神的に元気で過ごすことが、何よりの幸福を招くのだろう……と、初めて気が付きました。それからは棚上げしていた掃除が毎日の習慣になるようにと努力しました。

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