「大切な人がガンになってしまったとき、言ってはいけない言葉」をご存じでしょうか。力になりたい、励ましたいけれど、どう言ったらいいのかわからない。そんなときに知っておきたいこととは? ご寄稿をいただいたのは、グラフィックデザイナーの柘植 ヒロポンさん。明るいお人柄、ユニークかつ読者の心をつかむ企画の数々、誠実なお仕事ぶりで業界内にファンが多数います。今、闘病中の柘植さんが教えてくれました。  

大切な人がガンになったときどう向き合うか

 はじめまして、グラフィックデザイナーのヒロポンと申します。

 本日は、「ガン(癌)」のお話をさせてください。

 「病気の話ですか!? 私には関係ないわ!」と思われるかもしれませんが、今や2人に1人はガンになる時代、どんなに予防していても「絶対にガンにならない」という保証はどこにもありません。もし、大切な人がガンになってしまったら、その人とどのように向き合えばよいのでしょうか。心の備えとして考えてみませんか。

現在、私は闘病中です

院内のソファーに緑の植木鉢。癒やされます
院内のソファーに緑の植木鉢。癒やされます

 私自身、2013年の春、42歳の時にS状結腸ガン(大腸ガン)と診断され、その後、再発と転移を繰り返しながら、現在もガンと闘っています。

 先の見えない長~いトンネルを一歩進んで二歩下がる……、進んでいないことに気がついて、焦る気持ちを抑えながら、また一歩進む……といった感じですが、自分のできる範囲内で家事、仕事、趣味を楽しみながら毎日を過ごしています。

ガン患者さんの心を軽くするには

 ガン患者さんは、病名の告知から始まり、治療、副作用や後遺症、再発や転移など、その時々で今まで経験したことのない強いストレスにさらされます。

 そのストレスを少しでも軽減させ、前向きに治療してもらうためにも、まわりの人の心のサポートが必要になります。

 ガン患者さんの心の動きをしっかり受け止め、辛い気持ちを共有してあげてください。混乱して同じ話を繰り返すかもしれませんが、面倒くさがらずに聞いてください。ガン患者さんは、気持ちを打ち明けることで何が一番不安なのかを整理することができ、少し時間がかかるかもしれませんが、だんだん落ち着きを取り戻します。

 「1人じゃないからね」「なんでも遠慮なく言ってね」「あとのことは何も心配いらないから、ゆっくり治療していこう」など、ガン患者さんに寄り添い、ひとりで重荷を背負わせないことが大切です。

ガン患者さんの心がパワーダウンすること

 ガン患者さんは大きなストレスに直面しているため、何気ない言葉や態度を神経質に受け取り、傷ついてしまうこともあります。私が複雑な気持ちになった出来事をご紹介します。

 × 身内が元気づけようとして、たくさん話しかけてくる

 →ショックが大きいと会話ができなくなることがあります。気が動転しているので、会話が頭に入らず頷くことすらできないのです。ガン患者さんが話し始めるまで、じっと見守ってください。

 △ 親しい友人にガンのことを話したら、黙ってしまった

 →その友人は、突然のことでびっくりして言葉を失ってしまったのですが、かえって申し訳ないことをしたと思いました。それ以来、相手に気を遣わせたくないので、ごく一部の人しか闘病していることは伝えていません。

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