子どもと大人で違う! 世代別冷え対策

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2019/01/12 19:00

寒さも本番。体を冷やさないよう心がけたいものです。実は大人と子どもで注意したいポイントや、対策したいことが変わってくるそうです。

 女性を中心に冷え対策として、温活や冷え取りが定着しています。でも、実は世代によって温め方にはポイントがあるそうです。冷え症に詳しい今津嘉宏先生に教えていただきました。

 ★教えてくれた人:今津 嘉宏(いまづ よしひろ)先生

 芝大門いまづクリニック院長。慶應義塾大学病院で外科医として勤務のかたわら、漢方医学を学ぶ。その後、西洋医学、東洋医学を統合した診療にあたっている。テレビなどメディアに多数出演。著書多数。

まずは冷えていないかチェック!

 下記で当てはまるものはありませんか? 一つでも心あたりがある場合は冷えている可能性があります。

 ・この夏は、エアコンの効いた部屋にいることが多かった

 ・アイス、サラダ、冷たい飲み物を多くとる

 ・肌が乾燥していて、色白

 ・眠りが浅い、目が覚めやすい、夢をよくみる

 ・イライラしがち

 【子どもの場合】外で体を動かして遊ぶよりも、室内で絵本を読んだり、DVDを見て遊ぶことが多い

 【大人の場合】入浴よりもシャワーの方が多い

エアコン? と思った方へ

 1日中エアコンの効いた空間にいると、冷えにつながる可能性が少なくありません。

 「夏バテはなかったけど、便秘や鼻水がきになる、といった軽度の冷えの症状を訴える患者さんが秋口に増えました。そうした患者さんは体が冷えきっている人がほとんど。しかし、多くの患者さんは冷えを自覚していないため、十分な対策ができていません」と今津先生。

 このように、人によっては夏の冷えによる不調を引きずったまま冬を迎えた可能性があります。

冷えは不調のサイン

 「冷えは、単に不快な状態であるだけでなく、さまざまな病気にもつながります」と今津先生。ご自身が25年間外科医として勤務してきた経験から病気を患っている人は冷えていることが多いことを実感したといいます。

 「体を冷やすことが体調をくずす原因になり、それがやがて病気に進行します。冷えを感じたら、体のどこかに問題があると考えた方がよいでしょう」(今津先生)

 さらに大人だけでなく、子どもの冷えにも注意が必要です。

 「最近は手足が冷たい幼児が増えてきていますが、子どもは大人とは違い、健康で丈夫な体を作っている途中です。冷えはそれを妨げてしまいます。いつもと便が違う、体がだるくてベッドからなかなか起き上がれないといった変化は、冷えの兆候です。毎日細かく体温を測らなくても、手足やお腹などに触れるだけでも体温の変化には気が付くものです。例えば、保育園であったことを聞きながら、手を握ったり背中をさすったりしてスキンシップをとりながら、お子さんの体温チェックをしてあげてください」(今津先生)

子どもが冷えやすい理由

 「現代の子どもは温度や湿度が整った環境で育ってきたため、体が気温の変化に対応する力が乏しいということができます。また、冷えた空気は下にたまりやすいため、大人よりも身長が低い子どもは影響を受けやすい」と今津先生。

 さらに、1年を通して冷たい食べ物・飲み物、つまり体を冷やすものが簡単に手に入ることも理由の一つにあげられます。また、夜遅くまでの受験勉強やスマホを通して睡眠不足になっていることも冷えを助長するとのことです。

 子どもは大人よりもストレスの経験が少ないことから、子どもは些細なことが大きなストレスにつながりやすいことを先生は懸念します。

 「ストレスにより体温調節をつかさどる自律神経が乱れ、交感神経が優位になって、手先や足先などの体の末端が冷えてしまいます。ひどくなると下半身やお腹までが、冷えていってしまうのです」(今津先生)

体を温めるために

 冷えた体を温めるためにどうしたら良いでしょう? 今津先生は体温を上げる『温活』として積極的な運動体を温める食材選びおよびカフェイン摂取の制限を挙げます。特にカフェインの摂取を避けることは見落としがちですが、重要とのこと。その理由はカフェインの利尿作用。

 「尿が排出されるときに、体幹部の温度を奪ってしまいます。特に子どもは体重が軽いため、大人と同じ量のカフェインを飲んでも利尿作用が強く出てしまいます」と先生。また、もう一つ理由が体の中心と末端が冷えること。

 「カフェインが交感神経を優位にします。すると、血管が収縮して、体の末端にある手や足の温度が下がってしまいます。つまりカフェイン入り飲料を飲むと、体の中心と末端の両方が冷えてしまうのです。紅茶、緑茶、ほうじ茶などカフェインが含まれている飲み物を飲んでいる子どもは多いのではないでしょうか。大人は朝や仕事の合間などにコーヒーを飲む方も多いでしょう。しかし、これらを温めて飲んでも、カフェインが入っているものは体を冷やしてしまいます」(今津先生)。

 特に朝は最も体温が低いので、体を温めるためにカフェインゼロのお茶を飲むと良いとのこと。最近は市販品も種類が豊富なので、うまく取り入れてみてはいかがでしょうか?

世代別温活対策

 上記の通り、運動・食事・カフェインゼロのお茶の摂取は全世代共通で大切なことです。さらに、成長過程にある子どもは体の特徴に合わせた温活が重要。そこで、最後に今津先生が提唱する世代別の対策をご紹介します。

幼児

 体の芯の熱が逃げやすく、汗をかきやすい年ごろ。体温調節をサポートする温活が大切です。

 ・重ね着で体温を調節:動いて汗をかいたら1枚脱ぐ、寒くなったら1枚羽織るなど調節しましょう。お手本は登山の服装です。

 ・水分補給の半分以上は温かいお茶を:熱が逃げやすいので、体の中から温めましょう。お茶はもちろんノンカフェインのものを与えましょう。

小学生

 永久歯が生えそろい食べられるものも多くなるが、消化機能は発達途中。消化吸収を助ける食事で温活を

 ・腸内細菌のえさとなる食物繊維をとる:まだ完全にできあがっていない消化機能を助けるため、不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1のバランスでとりましょう。便秘は冷えの原因になります。食物繊維で予防を!

 ・よく噛む:よく噛むこと=筋肉運動によって筋肉を動かし、熱を作り、体が温まります。また十分な消化が体を温めることにつながります。

中学生

 ホルモンバランスの変化、第二次反抗期……多くのストレスを抱える年ごろ。質の良い睡眠で温活を。

 ・寝る前に温かいお茶を飲む:脳の温度が下がると、寝つきがよくなり深い眠りにつくことができます。眠る直前に一度体温を上げることで、その後の温度を下げてスムーズに眠ることができます。お茶はもちろん、ノンカフェインのものを。

 ・日光浴:日を浴びることでセロトニンが活性化され、質の良い眠りが得られます。

大人

 体ができあがった大人は衣食住のバランスを整えましょう。

 衣:首周りを冷やさない。ストールやマフラーを巻くなど対策を。

 食:ネギ、生姜、ニンニクなどの香味野菜や、色の濃い野菜をとる。

 住:「頭寒足熱」を心がける。レッグウォーマ―などを使い足元を温める。

 ※ネギやニラに含まれるアリシン、生姜に含まれるショウガオールには血の巡りを良くして体を温めます。注意が必要なのは唐辛子。体が熱くなるので、温め食材のようですが、発汗作用があるため体を冷やしてしまいます。

 「寒の入り」も過ぎ、これからが寒さ本番です。体を冷やさないようにして、毎日を過ごしたいものですね!

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