「子どものための建築と空間展」開催中

印刷用を表示
2019/01/25 07:00

「子どものための建築と空間展」が開催されています。小学校、幼稚園、公園といった、子どものために作られた建築と空間について、日本の近代から現在までの代表的な作品を紹介する展覧会です。

 懐かしい小学校や、教室の椅子。タコのすべり台。子ども時代の記憶は、そのときの空間や建築とともにあります。

 そうした子どものために作られた建築物を歴史を追って紹介した展覧会「子どものための建築と空間展」がパナソニック 汐留ミュージアムで開催されています(2019年1月12日から3月24日まで)。

時代の変遷によって変化してきた、子どものための建築やインテリアを見ていくことができる
時代の変遷によって変化してきた、子どものための建築やインテリアを見ていくことができる

これまでなかった!「小学校校舎」の変遷を建築視点で見られる展覧会

 「学校の校舎」をイメージしたとき思い浮かべるものは、年代によって違うと思いますが、本展示会ではそうした時代による、学校の校舎の変遷が写真や建築模型とともに紹介されています。

 明治の文明開化の香りが漂う、凝洋風建築の小学校。

旧開智学校(重要文化財)1876年 立石清重 写真提供:旧開智学校

旧開智学校(重要文化財)1876年 立石清重 写真提供:旧開智学校
旧開智学校の模型(1:100)の展示も
旧開智学校の模型(1:100)の展示も
明治期の小学校の椅子
明治期の小学校の椅子

 大正デモクラシーの風潮の中で、近代建築の巨匠・フランク・ロイド・ライトと、ライトの信頼が厚かった遠藤新による私立学校。

自由学園明日館食堂 1921年 フランク・ロイド・ライト+遠藤新 写真提供:自由学園明日館
自由学園明日館食堂 1921年 フランク・ロイド・ライト+遠藤新 写真提供:自由学園明日館
かつら文庫の椅子 剣持勇
かつら文庫の椅子 剣持勇

 昭和期に入り、校舎の鉄筋コンクリート化が進む中、谷口吉郎設計で建てられたモダンで先駆的な校舎。

慶應義塾幼稚舎理科室内観 1937年 谷口吉郎 写真提供:慶應義塾福澤研究センター 撮影:渡辺義雄
慶應義塾幼稚舎理科室内観 1937年 谷口吉郎 写真提供:慶應義塾福澤研究センター 撮影:渡辺義雄

 戦後は、多くの学校を早急に建てる必要があり、そのために「標準設計」と呼ばれる規格化された同一タイプの学校校舎が大量に建築されていきました。一方でそうした画一化された学校空間を打破しようとする動きも生まれ、丹下健三による「ゆかり文化幼稚園」では特徴的なテラスなどにそうした試みが見られます。

ゆかり文化幼稚園 1967年 丹下健三 写真提供:ゆかり文化幼稚園
ゆかり文化幼稚園 1967年 丹下健三 写真提供:ゆかり文化幼稚園

 1985年以降からは、子どもの個性を尊重し生活空間の豊かさも考慮された建築が多くみられるようになってきています。

 ドーナツ状に作られた園舎、屋上がウッドデッキとして子どもたちが走り回れるようになっている「ふじようちえん」は、国内外から注目を集めた事例です。

ふじようちえん 2007年 建築家:手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所)トータルプロデュース:佐藤可士和 Photo(C)Katsuhisa Kida / FOTOTECA
ふじようちえん 2007年 建築家:手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所)トータルプロデュース:佐藤可士和 Photo(C)Katsuhisa Kida / FOTOTECA
木製三角椅子 デザイン:坂本和正(方圓館) サレジオ小学校蔵
木製三角椅子 デザイン:坂本和正(方圓館) サレジオ小学校蔵

 展示物は、写真や図面、模型が中心です。教育玩具や原画など、子どものために作られてきた建築とインテリア、空間についての、日本の建築の歩みをじっくり鑑賞したい方、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 過去に自分の通った校舎や遊んだ公園や、今子どもたちを取り巻く空間は、こんな意図をもって建築家たちが設計したのか、ということがわかり、新鮮な発見がありそうです。

展示は、写真や図面、模型が中心
展示は、写真や図面、模型が中心
教育玩具や絵本の原画なども
教育玩具や絵本の原画なども
タンクボール 成田亨 1970年代

タンクボール 成田亨 1970年代

子どものための建築と空間展

 開催:2019年1月12日(土)~3月24日(日)

 会場:パナソニック 汐留ミュージアム

 URl:https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/19/190112/

これもおすすめ