翻訳家でお菓子ブログを主宰している森嶋マリさん。今回はふわふわしっとり食感が人気のスイーツ、シフォンケーキのお話です。おいしいだけではなく、経済的、ヘルシー、アレンジしやすいなど、いいことずくめのシフォンケーキは、作り立てがいちばんおいしくいただけるのだそうです。

ふわふわ食感がたまらないシフォンケーキ。生みの親を知っていますか?

 こんにちは! お菓子ブログ〈Single KitchenでSweetsを〉のmarinこと森嶋マリです。

 みなさん、シフォンケーキはお好きですか?

 きっと、99%の方が「好き!」とおっしゃったはず。

 そもそも甘いものが苦手という方はさておき、「シフォンケーキが大の苦手」という方にはまずお目にかかったことがありません。

 もちろん私も大好きです。

 ふわふわしっとりの食感に感動して以来、ずっと作り続けています。

 おいしさ以外にも、シフォンケーキにはいいところがたくさんあります。(作り慣れれば)作業時間はかなり短くて、材料費が低めで、カロリー控えめ、アレンジしやすくて、手土産にも喜ばれることまちがいなし。

 「お菓子作りといえばクッキーとパウンドケーキぐらいかな」という方がいらしたら、一歩踏みだして、いいことずくめのシフォンケーキの世界をぜひ覗いてみてください。

アレンジしやすく手土産にも◎
アレンジしやすく手土産にも◎

 シフォンケーキはアメリカ生まれのお菓子。ロサンゼルスの保険外交員で夜はケータリング業をしていたという、ハリー・ベーカーさんが1927年に発明しました。

 そう、まさに「発明」なんです。数あるケーキの中でも、その作り方は実にユニーク。私も初めて作ったときは、よくぞこんな方法を思いついた! と驚きました。詳しい作り方はのちほどご紹介しますが、ベーカーさんが編みだした独特の方法がなければ、シフォン(薄い絹織物)のようにふんわりとどこまでも軽い食感のケーキは生まれなかったのです。

 もちろん、ベーカーさんもその作り方を簡単に思いついたわけではありません。400以上のレシピを試して、ようやく完成させたのだそうです。いわば、血と涙の結晶。だからなのか、当時は作り方は絶対に秘密。誰にも教えずに、ハリウッドの芸能人や有名レストランの注文に応じて、手作りしていたと言われています。ということは、かなり稀少で、庶民には手の届かないケーキだったのでしょうね。セレブのあいだで話題になって、注文が殺到して、1日18時間働いて42個のシフォンケーキを作り、現在のお金に換算して1000ドル(約11万円)近くを稼いだとのことです。オートメーション化された工場で作っていたはずもなく、レシピも秘密となれば、ひとりきりで(それとも、信頼のおける仲間がいたのかな?)1日に40個以上のシフォンケーキを作ったら、へとへとだったでしょうね。

独特の型で焼き上げるシフォンケーキ
独特の型で焼き上げるシフォンケーキ
型の中央に穴があいている
型の中央に穴があいている

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