心が温まる、気の置けない仲間とのスープ

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2019/02/06 08:00

冬の寒い日に読んでもらいたい、友人関係にまつわるスープのお話。温かいスープには、人との距離を縮める力があると思うのです。

ホームパーティの牽制球

 同性の友だち同士の「持ち寄り」ホームパーティは、そのグループが自分にとって本当に心を許せる関係なのかどうかをはかるバロメーターになる。

 持ち寄りは、作るにしても買っていくにしても、迷う。みんな何が好きかな、誰かと被らないだろうか。揚げ物かサラダか、フルーツかワインか。

 普通の手土産より迷うのは、友人とはいえ、各自持ち寄ったものが同じテーブルに並び、比べられてしまうから。料理上手なAは手の込んだご馳走を持ってくる。センスの良いSは、最近話題の、間違いなくみんなが盛り上がるスイーツを選んでくる。

 こんなふうに、誰が何を持ってきたという牽制球の投げ合いになっている場合は、まだまだ友人関係としては浅いのかもしれない。私は、食べることも料理も好きだから、持ち寄りは苦ではない。それでも評価が気になるときがあって、それはやはり、そこまで深い付き合いではない友人との会に何かを持っていくときだ。

 がんばる、がんばらないに関わらず、素の自分が選んだ食べ物を出しても心おだやかにいられるのであれば、それはいわゆる「気の置けない間柄」に近い。

人との距離が縮まる料理

 相手との距離を料理が縮めることもある。中でも代表的なのは、鍋だろう。大きな鍋を囲んで具をつつき、温かい出汁やスープを飲んでいるうちに、少し遠かった人とも打ち解けてくる。

 私はイベントなどで、大鍋にスープを作って人に食べてもらうことが多い。やっぱり、温かいスープをみんなで一斉に食べると、その場にいる人たちの肩の力が抜けて、自然に笑顔になってくれるような気がする。

 持ち寄り会にスープ、というのは考えにくいかもしれないけれど、作るメニューを選びさえすれば、案外悪くない。野菜ぎっしりのミネストローネはみんな大好きだし、サラダではない目新しい野菜料理として喜ばれる。野菜に完全に火が通るまでしっかり炒めあげ、塩味を濃い目につけて、水を加える前の状態で持ち運ぶと楽だ。現地で鍋を借りて、水で伸ばして温める。

 ポタージュもいいもので、野菜をブレンダーでなめらかにして、やはりこれもあらかじめ味付けしたものを、ジップロックなどで持っていく。お酒の出る席では、気持ち味を濃い目にする。ハーブなどを別容器に入れていき、その場で散らせば、いいワインのおつまみにもなる。夏であれば、冷たいポタージュやガスパチョもいい。

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