大人の私たちが本当に使いたい、暮らしの中のモノ
日本には、地域に根差した多くの工芸メーカーとそれを支えてきた職人さんたちがいます。
今回、中川政七商店さんが開催した合同展示会「大日本市(だいにっぽんいち)」には、日本の伝統をベースにしながら新鮮さがある、大人の私たちが使いたい!と思える工芸品が全国各地から集まりました。

前回、約2,000 名が来場した大日本市。今回“工芸の衣・食・住”にまつわる全45 ブランドが出展。その中から編集部が、個人的にも欲しい!使いたい! と思ったブランドをいくつかご紹介していきますね。

古くて新しい。繊細でやさしい有田焼「mg&gk(もぐとごく)」


「mg&gk(もぐとごく)」は、有田焼の窯元「渓山窯」(けいざんがま)から発表された新ブランド。
一息つく大切な時間を丁寧に過ごしたい人へ。ちょっとしたスイーツとたっぷりの紅茶を楽しんでほしいというコンセプトで、確かな有田焼の技術を元に、ひとつひとつ心を込めて手描きで制作されています。

やさしい青色で、「七宝」「麻の葉」「波」といった縁起の良い吉祥文様をベースとした絵付けがされています。
洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」とのコラボレーションモデルも発売されています。
クリエイティブデレクションとデザイン全体は、プロダクトデザイナーの辰野 しずかさん。ロンドンで家具とプロダクトを学び、現在は日本中を飛びまわりながら、工芸とのコラボレーションの仕事をされている方です。

通常、有田焼は濃い色合いの絵付けが主流となっていますが、今回は柔らかい印象になるよう「薄く優しい」絵付けをテーマに、商品開発に取り組んだそうです。

渓山窯は、佐賀県・有田町の名工・篠原 龍一氏により、有田焼の染付の美しさを追求して創業された窯元ということで、絵の具の成分にもこだわっているとのこと。
こんな繊細な美しさのある器で、お茶の時間をゆったりと楽しんでみたいですね。
mg&gk(もぐとごく) https://mggk.jp/
軽やかに季節を連れてくるストール「orit.」

展示会でひときわ目立っていたのはパステルカラーのきれいな色合いのストールたち。
兵庫県・播州織(ばんしゅうおり)のブランド、「orit.(オリット)」のものです。
播州織とは、糸の段階で染め上げてから織り上げる「先染め」という工程で作られるため、このように美しい色合いの織物ができるのだそうです。
展示されていたストール「yu.(ユウ)」は、コットンでできており、重さはなんと、卵1個分、約60gなのだそうです。本当に軽くてフワッとした感触が、春の装いにぴったりですね。
パステルカラーだけでなく、男性にも使いやすそうな色合い、質感のものも並んでいました。


季節の代わり目にあると重宝するストール。身近な人へのプレゼントにしても喜ばれそうです。
orit. http://www.orit.jp/