文化が違うと、住居も変わる

 さて、実はイギリス住宅と日本の住宅とでは文化の違いから「作り」が違うものがあります。

 下の2枚の写真に、英国ならではの作りのものが写っているのですが、それが何かお分かりになりますでしょうか?

 まずは、我が家のリビングルームを廊下からのぞいたシーンがこちら。

 またこちらの写真は、ゲストルームを廊下からのぞいたシーンです。

 実は扉の開く位置が日本とイギリスでは違うのです(全ての住宅に当てはまるとは言い切れません。一般的な話です)。

 日本住宅の場合、部屋の扉は、家の壁側に向って開くようになっているところがほとんだと思いますが、イギリス住宅では、部屋の中心に向かって開くようになっているところが多いと思います。

 これは、日本はできるだけスペースの確保が優先事項なので、扉を開いた場合、壁に向って開いた方がスペースをより有効的に使うことができるということでしょう。

 しかし、イギリスの場合、部屋の中心に向かって扉を開くことにより、扉が盾となり、部屋の中が外の人間の視界にすぐには入ってこないようになっています。

 (*上の2枚の写真を見て頂いてもわかる通り、扉を開ける人は部屋の入口付近しか視界に入らないのがわかると思います。)

 これは昔、使用人などを雇っていた文化から、扉ごしに、部屋の中にいる主人に用事を伺えるよう配慮したためと言われています。

 また、侵入者があった時に、扉を盾に内側から押し返すためともいわれているようです。

 ですので、我が家のボックスルームの扉の場合も、当初、イギリス方式で、部屋の中心に向かって開くようになっていたのに、どこか過去の住民の段階で間違って壁際に開くように扉を取り付け変えてしまったため、照明スイッチが扉の裏に隠れてしまう事態となってしまったことがわかります。

気楽に、自由なDIYで住まいを楽しめたら

 こんな感じで、過去住んでいた住人のDIYの腕前が、後に住む私たちにも影響を及ぼすイギリス住宅。

 我が家だけでなく、多分、他の住宅でも、過去繰り返されたDIYによって、摩訶不思議な住宅になっているお宅も多いはずと思います。

 でも、このいい加減さが、かえって日々の暮らしを心穏やかにしてくれました。

 日本に住んでいた頃は、壁に画びょうを刺すことに抵抗があったり、床にちょっとでも傷がつこうものなら大騒ぎしていた私ですが、ここイギリスに来てからは、すっかり大らかになり、壁が傷つけば、フィラー(壁に小さな穴が開いた時に埋めることのできる混ぜ物)で埋めて、またペンキでも塗っておけばいいや。床に傷がつけば、また数年後に張り替えればいいや。という具合に、ちょっとのことでは気にならなくなりました。

 なにせ、そもそも、すでにあちこちが歪んでいたり、曲がっていたりするものですから、いちいち気にしていたら始まりません。

 そうなんです。生活する上で、自由に好きなように住宅を楽しめるのがDIYの良さです。

 家具を作ったり大袈裟なことはできませんが、壁の色を塗り替えたり、壁紙を張り替えたりくらいは気軽にできますもんね。

 日本でも流行ではなく、当たり前の文化としてDIYが根付いていくといいですね。



Writer PROFILE

  • イギリス在住15年。2014年よりおもてなし教室「アトリエ・キュリアス・マーチ」を開催。2019年3月より、自宅サロンビジネスを開催されている方を対象に「英国式おもてなし空間コンサルタント」として、ヨーロッパの洗練されたインテリアデザイン・テーブルコーディネイトをオンラインにてマンツーマンにてコンサルタントをさせていただきます。集客できる自宅サロンを目指して、センスアップのための実力をつけていただき、他のサロンビジネスの方との差別化を図れる講座内容となっております。
    詳しくは、HPをご参照下さい。
    「英国式おもてなし空間コンサルタント」https://curiousmarch.themedia.jp/
    また、普段のイギリスでのライフスタイルをつづったブログはこちらをご参照下さい。
    「イギリスからおもてなし」https://marchuk.exblog.jp/
     

     

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