そろそろ桜の季節ですね。春の季節行事といえば、やはり、お花見。みなさんは、お花見にどういう意味が込められているか、ご存じですか? 日本の行事の奥深さを知れば、暮らしの見方がすこし変わるはず。大人になった今、改めて、日本のことを一緒に学んでみませんか?

みなさんの暮らしには「行事」がありますか?

 こんにちは。私は「いとよし」という場で、日本の行事をおうちで楽しみましょう! という活動をしています。月に1回、日本の行事の由来を学びながら実習するワークシップを開催したり、田んぼでのお米作り体験を企画したりしています。

 これから、昔からの暦や行事を取り入れた「行事暮らし」について、季節に合わせたコラムを書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、みなさんはどうですか? 季節の行事、楽しんでいますか?

 部屋の飾りつけから料理まで楽しむ! という人もいれば、忙しくてそこまで手が回らない、という人もいるかと思います。生活のペースや育った家の環境によっても、それぞれですよね。

 私も今でこそ「行事って楽しいよ!」という旗を振っていますが、日本文化に慣れ親しみ、丁寧な生活をしてきたかというと……、いえいえ、むしろ正反対でした。

 私は、もともと広告関係の仕事で、20年以上会社勤めをしていました。仕事に夢中になって、残業で深夜帰宅も珍しくない日々。子供が生まれてからは、さらに毎日がドタバタ劇場でした(今も十分ドタバタしていますが……)。

 洗濯機の中でずっとぐるぐる回っているような慌ただしさでしたから、行事といっても、クリスマスツリーを出すのは、2~3日前がやっと。ひな人形だって、何年もしまいっぱなし。四季すら感じる余裕もないような生活を送っていました。

日本の根っこをたどる旅

 転機は、会社を辞めたとき。人生の次のステージに進もう! と思っていたときに、「室礼(しつらい)」に出会いました。

 みなさん、「しつらえる」という言葉は聞いたことありますよね。室礼のお稽古では、なぜその行事が生まれたのかを学び、想いを込めて用意したものをしつらえます。家庭の中で受け継がれる日本の文化を、改めて学ぶ場です。

 お正月や節分などの年中行事は、子供のころから馴染みがあったので、もちろん知ってはいたけれど、なぜその行事が生まれたかなんて、考えたこともありませんでした。

 しかし、これがびっくり! 知れば知るほどおもしろかったのです!

 節分にはどうして豆をまくの?
   端午の節句には、どうして柏餅を食べるの?

 どうです? いわれてみると、ちょっと知りたくなりません?

 ちなみに、これから本番のお花見も行事のひとつ。私は、春の粋な宴会だとばかり思っていましたが……(笑)。

 もともと、さくらの「さ」=田んぼの神様、「くら」=場所、という意味があります。つまり「さくら」は、田んぼの神様がいるところ、という言葉。

 お花見は、田植えが始まる前に、山から降りてきた神様と一緒に飲んだり食べたり、にぎやかに楽しんで、その年が豊作となるよう前もってお祝いしてしまおう、という「予祝(よしゅく)」の意味を持つ行事でした。

 始まったのは、奈良時代よりもさらに前だとか。桜が日本人にとって特別な気がするのには、そういう意味があるからかもしれませんね。

 そんな風に行事を紐解いていくと、待っているのは、新しい発見の連続。日本のルーツ、自分の原点をたどる旅をしているようで、知るほどにおもしろいですし、「日本っていいなぁ」と改めて気づかされることが、たくさんありました。

 知らないままだなんて、もったいない! 子供たちの世代にも伝えていきたい。そう思ったのが、行事を楽しむ「いとよし」の活動を始めたきっかけです。

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