令和になった今、振り返る「昭和弁当」

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2019/05/01 06:00

祝!令和! 新しい時代がやってきました。そんな今、懐かしい「昭和弁当」についての連載がスタートします。Instagramで「昭和弁当」を投稿し、たくさんの人から人気を集めている bento_shimadayaさんが寄稿してくれました。

昭和が歴史の一部になりました

  「#金曜日は昭和弁」というハッシュタグで、インスタグラムに『昭和弁当』を投稿して5年(前アカウント@shimada_sachiko 含めて )になります。タグで見てみたら全部で250近くありました。1年は52週ですので盆と年末年始の休み以外はほぼ毎週昭和弁を作ったことになります。

   昭和の次の平成時代が終わり、令和となりました。昭和はふたつ前の時代ということになり教科書にも載る日本の歴史の一部になりました。平成のころには『懐かしいあのころ』と振り返ることのできた昭和が、これまでとは違った意味のものになってしまうような気がしています。

   そんな今、わたしがこれまでに作ってきた昭和弁を振り返り、まとめる機会を得たことを大変ありがたく、嬉しく思っています。

アルミ弁当箱と新聞紙

   昭和弁当、というものを初めて知ったのは、書店でたまたま手にとった、ある方のブログをまとめた本でした。

   目に留まったのは懐かしいアルマイトの弁当箱、ぎゅうぎゅうに詰まったご飯に鮭やめざし、赤ウインナーにたくわん…シンプルで素朴なおかずが大胆な構図をとって乗せられています。その懐かしさとアーティスティックな美しさがとてもとても面白く、ひと目で虜になりました。

   そして、自分が毎日作っているお弁当でも真似してみたいと思ったのです。

   ご飯をメインにして少ない品数のおかずを平面的に詰める(すなわち、彩りや見栄えを考えなくて良い)昭和弁当は作るのが簡単で、作り手としてはとても楽でありがたい。

   お弁当はわたしと同級の夫のためのものなのですが、こんなに質素で簡単なお弁当が夫にどう思われるかと少し心配しました。予想に反して夫は『 たまにはこんなのも美味しいよね』とこのアイデアを面白がってくれて。まもなく毎週金曜日は昭和弁当の日となりました。昭和弁当は、週一回大手を振って手抜きできる、格好の理由となったわけです。

   それから昭和弁当用に昔懐かしい素材の弁当箱を選びました。お弁当の下に新聞紙を敷いて写真を撮るのは、昔、お父さんたちの弁当は新聞紙に包まれて持っていかれるのがお決まりだったから。こうして、アルミ弁当箱と新聞紙がわたしの昭和弁のアイコンとなりました。

赤ウインナー、イワシの丸干し、日の丸弁当!

   最初の頃にインスタグラムに上げた昭和弁はご飯の上に赤ウインナーと卵焼きを交互に並べたのとかイワシの丸干しを三尾乗せたのとか。それから、日の丸弁当(笑)。

赤ウインナーと卵焼きで昭和弁当

赤ウインナーと卵焼きで昭和弁当

昭和弁当といえばやっぱり日の丸弁当

昭和弁当といえばやっぱり日の丸弁当

   見てくださった方も、渋い!大胆!面白い!昭和の香りがプンプンします!と面白がってくれました。簡単楽チンな手抜き昭和弁当を作るのが自分でもとても面白くて、週一回の昭和弁ネタを考えるのがすぐに楽しみになったんです。     

昭和40~50年代をイメージして

 そのうち、弁当写真を投稿するときにそれに関係する文章をつけるようになりました。昭和のころの時代背景とか昭和の食材の話、はたまたわたしの個人的な思い出など。昭和の漫画や昭和を舞台にしたアニメに題材をとったこともあります。わたしは昭和38年生まれなので、わたしの昭和弁当は昭和40年代~50年代をイメージしたものが多いです。

  昭和弁当の日にはまずなんとなく昔っぽいお弁当を作ってそのお弁当やおかずに繋がる昭和の思い出などをあとから考える場合もありますし、逆にエピソードが思いついたらそれを表現する食材や献立を考えることもあります。

昔の暮らしをしみじみと懐かしむ楽しさ

   昭和弁当にはみなさんからいろいろなコメントが寄せられます。若いかたがたは昭和弁を新鮮、面白いと感じてくださるようで、わたしにとっては驚きです。

 また、わたしと同年代だとか、同じように昭和を生きてきたかたは自身の思い出を重ねてくださいます。

 『マルシンハンバーグはご馳走でした』

 『そうでした、昔は弁当箱の蓋にお茶を注いで飲んでましたよ!』

 『母の作ってくれたお弁当を思い出しました』

  …などなど。

 中には、子どものころの思い出を延々と語ってくださる方も。共通するのはみなさんがそれぞれの昔を思い出し、良き昭和時代をしみじみと懐かしんでいることです。

 昔の食卓、昔の暮らし、家族のこと、友だちのこと…そんないろいろが鮮やかに脳裏に蘇り、懐かしい思いに心が満たされる…昭和弁当がそんなきっかけになるなら、手前味噌だけれど、とても素敵。

懐かしい時代、昭和

 新しい時代にはなりましたが、昭和はまだしばらくはわたしたちの心に残る思い出の時代であり続けると思います。昭和弁当で、そんな懐かしい昔のあれこれをたくさんの人に思い出してもらえると嬉しいです。



Writer PROFILE

  • bento_shimadayaさん

    Instagram:@bento_shimadaya


    毎週金曜日に、昭和をイメージした「昭和弁」を夫に作っています。昔の料理本に書かれていた「料理はレクリエーション」の言葉に感銘を受け、遊びのこころを持った弁当作りを目指しています。

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