残ってしまったバルサミコ酢をおいしく活用!

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2019/05/12 06:00

お家にバルサミコ酢、余っていませんか? 余らせていてはもったいない! バルサミコ酢のおいしい活用法について、イタリア住まいが長かった曽布川優子さんが教えてくれました。

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バルサミコ酢、余らせていませんか?

イタリアで愛用されきたバルサミコ酢
イタリアで愛用されてきたバルサミコ酢

 バルサミコ酢は、ブドウから作られる果実酢で、イタリアのエミリア州モデナ地方で11世紀ごろから作られてきたといわれています。

 当初は、「アチェート・プレステージョ(高貴な酢)」と呼ばれ、飲み物やうがい薬として上流階級の一部の間だけで愛用されていました。

 18世紀に入って、その香りのすばらしさが広まり「バルサミコ(Balsamico・芳香を持つという意味)」という名で呼ばれるようになったそうです。

 最近では、知らない人はいないくらいポピュラーで、日本でもかなり手に入りやすくなっていますね。

 でも、テレビで見たのですが「棚に眠っている調味料」のベスト5にも必ず入ってくるとか……。

 使い切れずに残ってしまうことも多いのがバルサミコ酢でしょうか。

最高級品「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」

アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ
アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ

 さて、バルサミコ酢は、その製法や原材料などでいくつかに分けることができます。

 ひとつ目は、バルサミコ酢の最高峰DOP(原産地名称保護品)、伝統的な製法で作られている、「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ(aceto balsamico tradizionale)」です。

 ぶどう果汁の濃縮液「モスト・コット」を原料として、木樽の種類とサイズを変えながら12年以上かけてアルコール発酵と酢酸発酵を同時に行います。

マルピーギ社のバルサミコ酢
マルピーギ社のバルサミコ酢

 イタリアに住んでいたころ、エミリア州にある街モデナで最も古いアチェート・ディ・バルサミコの作り手マルピーギ社(ACETAIAMALPIGHI)の屋根裏にお邪魔したことがあります。

 ここは、モデナ市の中心から南へ5~6㎞の郊外にあり、果樹園に囲まれた静かなところにあります。

 その屋根裏に一歩足を踏み入れた途端、木樽の匂いと甘~いなんともいえない芳醇な香りが漂っていたことを今でも思い出します。

寒暖の差が芳醇なバルサミコを作る

 マルピーギ社の屋根裏には、カシ、クリ、ネズ、ナラ、クワなどの5種類の木樽が3000個、静かに横たわっていました。

 屋根裏は、冬は寒さが厳しく、夏はものすごく暑くなり、そうした季節ごとの気温変動が、発酵と熟成をよりよい状態に導いてくれるそうです。

 機械に頼らず自然の力で作っていく、イタリアの特産品でもあります。

12年も熟成させる

 マルピーギ社のバルサミコは、原料であるブドウ果汁の濃縮液「モスト・コット」100ℓをカシの木の大樽に入れて、毎年2月から3月にかけて、一回り小さくて種類の違う樽に木樽の風味をつけながら、移し替えていき、最低12年以上屋根裏に置くそうです。

 初めに100ℓあったモスト・コットは1年ごとに1割程度減っていき、12年後には28~29ℓになるそうです。

 アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレの1滴には、伝統の技と12年という長い時間が凝縮されています。

 さらに25年熟成したものは、「エクストラ・ヴェッキオ」と呼ばれます。

 また、木樽で熟成させますが、熟成期間が少し短い6年間発酵熟成させた「サポローソ」と、主に白ブドウ果汁を加熱せず5年間発酵熟成させた「プレリバート」というタイプもあります。

 いずれも伝統的な手法をベースに応用したものです。

いちごとアイスクリームのバルサミコ酢がけ
いちごとアイスクリームのバルサミコ酢がけ

 これらのバルサミコは、料理に使うというよりもチーズや生ハムなどに1滴~2滴たらして香りを味わいます。いちごやアイスクリームにもかけたりします。

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