本物のオリーブオイルはどれ?
皆さん、こんにちは!
オリーブオイルソムリエの尾田です。
前回は、私がオリーブオイルに魅了されたきっかけをご紹介しました。
さあ、今回からは、オリーブオイルの魅力をお伝えしていきますよ~!
エクストラバージンオリーブオイルとは?
オリーブオイルの選び方について、ポイントを聞かれることがよくあります。
そんな時、私は必ず「エキストラバージンオリーブオイルを選びましょう!」と言います。
エキストラバージンオイルは、わかりやすく一言でいうと、「本物のオリーブオイル」です。
先日もお話しましたが、オリーブオイルは100%のオリーブジュース。生のオリーブの実からオイルを変質させることなく、取り出したものが、オリーブオイルです。

オリーブオイルは、色々な等級に分類することができるのですが、その等級を決めているのが「国際オリーブ理事会(IOC)」です。
IOCは、世界で唯一のオリーブオイルの国際的な政府間機関。ヨーロッパを中心とする加盟国で構成されています。
オリーブオイルの生産は、ヨーロッパがそのほとんどを占めていることもあり、このIOCの規定による分類が国際的なものになっています。
ちょっとお勉強。オイルの等級はどうやって決まるの?
IOCはオリーブオイルの等級を決める際、「酸度」と「官能検査」を基準にしています。
まず、「酸度」は、オイルの発酵や酸化の度合いを示す数値です。酸度が0.8%以下であることが、おいしいオリーブオイルの条件とされています。
「酸度とは一体なんぞや?」と思った方もいらっしゃるでしょう。
ちょっと専門的な話になってしまいますが……。
油は、グリセリンと脂肪酸が結びついてできているんですね。ですが、すべての脂肪酸がグリセリンと結合しているわけではありません。この結合できなかった脂肪酸の割合を「酸度」といいます。
酸度が低い油ほど酸化していないということになり、新鮮で健康に良いオイルであるという証明にもなるわけです。
もう一つの「官能検査」は、人が実際にオイルを口にして、風味や味覚を判断するもの。人間の味覚や嗅覚による基準で、「鑑定士(テイスター)」と言われる専門の方々が判定しています。
オリーブオイルには4つのグレードがある
酸度と官能検査によって等級分けされた中でも、最高級であると判断されたものだけが、唯一「エキストラバージンオリーブオイル」を名乗ることができます。
これを知れば、「エキストラバージンオリーブオイル」と書かれているものを選びたくなりますよね!
ここで、オリーブオイルの種類を簡単に説明しておきます。
まず、一番搾りのオリーブオイルはバージンオリーブオイルと呼ばれ、その中でさらに4つの等級があります。
1.エキストラバージンオリーブオイル
酸度0.8以下。風味がよく、欠陥がない。最高品質。
2.バージンオリーブオイル
酸度2%以下のもの。風味がやや落ちる。
3.オーディナリーバージンオリーブオイル
酸度3.3%以下。風味に少々欠陥がある。日本では非食用。
4.ランパンテバージンオリーブオイル
酸度3.3%超え。非食用。精製オリーブオイルや工業油として使用。
じゃあ、ピュアオリーブオイルってなに?
さらに、精製オリーブオイルというものもあります。これは、バージンオリーブオイルを食用に精製したオイルのことです。
また、よく聞くピュアオリーブオイル。これは、精製オイルにラパンテ以外のバージンオリーブオイルをブレンドしたオイルのことをいいます。食用ではありますが、オリーブの風味はほとんどなく、酸度は1.0%以上になります。
以上を知ると、「ええ! 今まで買っていたものは……」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
食べ物として身体に入れるものですから、ぜひこれからは「本物」を選んでくださいね!