編集部まつざきが大好きなhasu hanaさんに、コラムを書いていただけることになりました。この連載を通して、hasu hanaさんの暮らしの見つめ方をお届けし、みなさんの暮らしにいろんな発見を生み出せたら、と思います。

使う愉しみ、育てる愉しみ

 朝起きて台所に立つ。

 日々、私たちが何気なく使っている暮らしの道具。時にそれを見ると、幼い頃の「ままごと」のようにワクワクする。

 みなさんにも、そんな思いはありませんか?

 例えば、料理が苦手な人でも、お気に入りのフライパンを買ったら、そこからごはん作りが楽しくなったり、フライパンを使いたいから料理をしたり……。

 きっかけは、何でも良いと思うんです。

 気に入って手に入れた道具を日々使い、育てていく気持ちで見ていると、心が和み、じんわりと自分の中に大切なことが積み重なっていくような気がします。

 それは、さもないことで誰もが普段からしていること。

 その普段していることに少し目を向けて大切に扱い、大切に思うということなんです。

 今回は、そんな道具について、素材別にさもないお話をしてみたいと思います。

土のもの

 何十年も前に愛読していた雑誌の中に、土鍋でご飯を炊く暮らしの風景を見ました。その時の私の暮らしは、前日に炊飯器のタイマーをかけておき、朝起きたら炊きあがっているというもので、朝から土鍋でご飯を炊くなんてできないことでした。

 でも、その時、「いつかそういう時がきたら、土鍋で毎日ご飯を炊こう」と思い描きました。

 時が経ち、暮らしは少しずつ変わっていきました。そして今、土鍋でご飯を炊き、煮物をし、土の道具を日々使っています。

 炊飯器と違って、土鍋でご飯を炊くには、火加減を調節したり、蓋をずらしたりとひと手間かかります。

 便利な電化製品に慣れると、こういったことがとても面倒になっていくものです。最近の炊飯器は美味しく炊けるし、どうしてわざわざ土鍋なんだろう……と。

 しかし、一度経験してみてください。

 ご飯が炊きあがるまでの火と蒸気の音、蓋をずらした時にぷくぷくなるお米、土鍋独特のご飯の香り。炊きあがるまでの数十分の間に、なんとも言えない特別感と心地よさを感じる。

 五感で感じることで、暮らし方が変わっていきます。

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