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そうしないと、どうにもならないから

 そんなときには、無免許ベビーシッターさんたちの出番になるわけなのです。

 そんな無免許シッターさんは、やっぱり移民の人が多く、フランス語だって話せない場合も多々。そうなるともちろん、フランスの文化やマナーを教えることもできない。極端に言うと、もしかすると不法滞在の人かもしれないわけで、でもフランスの親たちはそんなの承知で預けてる。なぜならそうしないと、どうにもならないから。自分が仕事に復帰できないから。

 そして私が思うには、この“感覚”こそが、出生率を上げている一番の要因なのではないでしょうか?

 実際に1994年に出生率が戦後最低まで下がったとき、国がフランス女性の状況を調べたところ、その結果、就業率はどんどん上がっているけれど、子どもが多い女性ほど離婚率が高くなっているということがわかりました。

 これはすなわち、仕事を持ちながら子どもをたくさん産み育て、家庭を維持するのは難しいということを示しているデータ。

 仕事を続け、円満な家庭を維持するためには子どもは少なく、もしくは産まないという傾向になっていると国は判断したのです。これはフランスに限った話ではなく、同じような悩みを抱えている女性が世界中にはたくさんいるかと思います。

 このデータからフランスは、女性は出産よりも仕事、そして自分自身の生活を選ぶというのが一般的な考えだと認めました。なので、少子化対策でフランスが何よりも力を入れたのは、子どもうんぬん以前に“女性が働ける環境を維持できること”でした。

 こう書くと社会制度、育休、育児手当等が思いつくかと思いますが、実際は他国に比べるとそこまで優遇されたものではありません。80%の女性が産後3ヶ月以内で職場に復帰していることからもわかる通り、出産した女性に優遇な制度を設けていない会社も多々あります。国として、すぐに全員分の保育園を用意するのも無理な話。現在フランス、特にパリはこの保育園をどんどん増やしてはおりますが、それでも全員を受け入れられる規模では到底ありません。

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みんなの暮らし日記ONLINE 2017/11/21 11:00
2019/06/06 14:17 /article/detail/199