朝起きて最初に食べる朝ごはんは、一日のエネルギーの源です。みなさんは朝に何を召し上がっていますか? 朝ごはんの献立で気をつけていることはありますか? 料理家の井澤由美子さんにお話を伺いました。

バタバタする朝、ごはん食べてますか?

 子どもを保育園に送ったり、自分も出社の準備をしたり。ゴミ捨ての日もあって、洗濯物の準備もしなきゃいけないし、朝は時間との戦い! というかたもいらっしゃるかもしれませんね。

 皆さん、そんな忙しい朝は何を召し上がっていますか?

 管理栄養士の麻生れいみさんによると、気温が下がり免疫力が低下しやすい冬の季節は特に朝食を摂取することが大切なのだそうです。朝食を食べて体温を上げることが免疫力アップにもつながるとのこと。

最近では野菜を取り入れた朝食メニュー“朝ベジ”なんていうのも流行っていますね。
インスタを眺めていると、最近では野菜を取り入れた朝食メニュー“朝ベジ”なんていうのも流行っていますね。

 このように、みんなの朝ごはんはInstagramで見ることができますが、そうなると気になってくるのは、食のプロはどんな朝ごはんを食べていて、どんなことに気を遣っているかではないでしょうか?

 そこで今回は、料理家の井澤由美子さんにお話を伺ってきました!

作り置きとお粥で朝からポカポカに

――レモン塩や乳酸キャベツといったレシピを紹介される井澤さんですが、お料理全体でこだわっていること、意識していることは何かありますか?

井澤由美子さん 旬の食材の効能と素材を活かしたシンプルな料理に定評がある料理家。NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」などに出演。『乳酸キャベツからだに効くレシピ』(2017年 扶桑社)など多くの書籍も手がけています。
井澤由美子さん 旬の食材の効能と素材を活かしたシンプルな料理に定評がある料理家。NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」などに出演。『乳酸キャベツからだに効くレシピ』(2017年 扶桑社)など多くの書籍も手がけています。

 特にこだわりがあるわけではなく、自分の好きなことばかりやっています。発酵食を作ることが私のライフワークなんですね。乳酸キャベツをご紹介しようと思ったのは、若い方でも気軽に作れるようにしたかったから。私の20代の娘が唯一作る発酵食がこれだったんですよ。

 乳酸キャベツ、いわゆるザワークラウトは世界中で食べられています。今ではお医者さんも効果があると仰ってくださり「健康フード」のイメージがついていますが、気負わず生姜や山椒など日本の香りでカジュアルに作ってもらいたいと思っています。

 そんなふうに体に良いものを日々作っていて、本を出版したり、テレビでも紹介していただけるようになりました。

 こだわりといえば、私は朝ベジを提唱しています。朝にお野菜を摂るということですね。

――朝にたくさんのお野菜を摂るためにはどういった工夫が必要でしょうか?

 簡単に食べたいなら、やはり作り置きですね。作り置きをしたほうが楽だし、味がしみて美味しいですからね。我が家も冷蔵庫に入れておいて、家族が勝手に食べるみたいな感じです。でも、無理に作るんじゃなくて、夕食時に多めに作って翌朝も食べるというのでも良いと思います。

 例えば菌そのものである、子実体のキノコ。これは作り置きがしやすくて、発酵食と組み合わせると相乗効果も高いです。エノキやしめじ、なめこを切って、醤油麹で煮たものは、ごはんにそのままかけても美味しいですし、納豆にも合いますよ。

写真右。キノコは旨味があるので、醤油麹がなければ醤油と少しのみりんだけでも美味しいとのこと。
写真右。キノコは旨味があるので、醤油麹がなければ醤油と少しのみりんだけでも美味しいとのこと。

 味噌とヨーグルトの漬物もおすすめです。夜作れば翌朝には食べられますよ。一人暮らしでお野菜が余る、という場合もこれなら漬けるだけです。

人参と大根(すぐ漬かる薄切りにしてあります)、カブを切って漬けたもの。まろやかでやさしい甘みです。トマトは楊枝で刺してあげると一晩で中まで美味しくなります。
人参と大根(すぐ漬かる薄切りにしてあります)、カブを切って漬けたもの。まろやかでやさしい甘みです。トマトは楊枝で刺してあげると一晩で中まで美味しくなります。

 ぬか漬けみたいに毎日混ぜる必要ありません。味噌もヨーグルトもそのまま食べられるから、洗わなくていいし、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌が同時に摂れるのもいいところ。塩分も控えめですから、血圧を気にする方にもいいかもしれません。

 水分が出てくるので、作ったら早めに食べたほうがいいですね。野菜を食べたあとに残った汁は麺に絡めたり、ソースとして使えます。

 野菜は他にもキャベツや白菜だって美味しいですよ。味噌とヨーグルトは量も種類もお好みで大丈夫です。ご自身の好きな塩梅を探していただきたいですね。ただ、お味噌は長期熟成されたものを使うとより良いと思います。

 あとはほうれん草などをおひたしにしておいたり、大根とカブの葉を合わせてサッと炒めておいたり。

大根とカブを刻んでごま油で炒めたもの。カルシウムもビタミンCもいっぱい摂れます
大根とカブを刻んでごま油で炒めたもの。カルシウムもビタミンCもいっぱい摂れます

 大根の葉っぱはビタミンCが豊富なので、ぜひ活用してほしいです。下の茎の5、6cm程度をきざみます。カブは柔らかいから上まで使えますよ。

 ちなみに私はほうれん草以外の緑野菜は茹でるのではなく、「オイル蒸し」にすることも多いです。茎と葉に分けて切り、フライパンに茎の部分を下に、その上に葉の部分を上に置きます。そこにごま油もしくはオリーブオイル、塩を振ります。そして、フライパンに蓋をして強火にかけると、野菜の水分で蒸せるのです。そうすると、栄養分を逃がすこともなく、鮮やかな色に仕上がります。

 また、朝は消化がいいもの、エネルギーにすぐ変わるものを摂ると良いです。甘酒なども良いですね。

井澤さんおすすめの垣崎醤油店の有機甘酒。島根の美味しいお米を使っています。
井澤さんおすすめの垣崎醤油店の有機甘酒。島根の美味しいお米を使っています。

 冬はここに少し豆乳や柚子を加えたり、夏だったら体の余分な熱を取るために、凍らしたトマトを擦って加えるなどします。

 さらに、私は朝粥をおすすめしています。あればストウブなどの厚手のお鍋を使えばお米と水を入れて放置するだけで簡単ですよ。朝の作業はお粥を作って、常備菜を添えるだけです。あとは三つ葉などの香りものを切るくらいでしょうか。

味噌とヨーグルトの漬物/ひきわり納豆のキノコの煮物のせ/ほうれん草のおひたし/お粥/甘酒
味噌とヨーグルトの漬物/ひきわり納豆のキノコのせ/ほうれん草のおひたし/お粥/甘酒

 朝にお粥や、スープなど温かいものを食べるのがなぜ良いかご存知ですか? 胃の裏側にある大動脈が温まり全身の血液循環が良くなります。すると交感神経がONになり、1日がスムーズにスタートできるような元気がみなぎります。これも朝大事なことだから、温かいものと、今は特に寒いので野菜と組み合わせて、食べるというのが大事だと思います。

――野菜を組み合わせて食べることが大切とのことですが、冬はどういった野菜がいいのでしょうか?

 朝は忙しいからすぐに火が入る野菜がいいと思います。レタスとか白菜の上のほうとかは、火の通りが速いですよね。大根や人参は例えば前の日にお鍋をした残りをアレンジして朝食に出すといったことも良いですね。

 あとは「気の巡りを良くする」と中医学ではよくいいますが、三つ葉やパクチーなどの香りのものは気の巡りが良くなります。ザクザク切ってスープやお粥に入れれば、ストレスなどを緩和するのでおすすめです。

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