【世界の喫茶文化】中国の優雅なお茶「工芸茶」

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2020/03/15 09:00

花が咲くように茶葉が開いていき、色鮮やかな花が現れる。「工芸茶」は他にない美しさです。書籍『暮らしの図鑑 お茶の時間』から。

透明なグラスで美しい茶葉を眺める

 中国で楽しまれているお茶のひとつ、工芸茶は味わいだけでなく、茶葉が開くところも楽しむお茶です。

 丸く細工された茶珠にお湯を注ぎ、花が咲くように茶葉が開いていき、色鮮やかな花が現れる様子はほかにない美しさです。

 徐々に開花する、ゆったりとした時間そのものを楽しむお茶でもあります。

 耐熱性の透明なグラスやティーポットを使いましょう。

 この本で紹介している工芸茶は、緑茶を使っていますが、ジャスミン茶や紅茶などが使われるものもあります。

 ベースとなる茶葉にさまざまな花を組み合わせて、職人が糸で束ねて形を作ります。

見て飲んで体にもいい。三拍子そろったお茶

 工芸茶は1980代に中国の安徽省(あんきしょう)で汪芳生(おうほうせい)氏によって考案され、現在では安徽省や福建省で作られています。

 「工芸茶の父」と呼ばれる汪芳生氏は、工芸茶を「康藝銘茶(こうげいめいちゃ)」と呼んでいます。見た目が美しいだけでなく、飲んでおいしく、健康にもよいという意味が込められているとか。

 飲む際は、工芸茶をひとつポットやカップに入れ、熱湯を注ぎ入れます。2~3分ほど待ち茶葉が開くのを楽しみます。

 花が顔を出したら飲み頃。さし湯をしながら、3煎ほど飲むことができます。

 飲み終わった茶葉は水に移し替えて水中花としても飾ることができます。毎日水を換えることで、1週間ほど楽しむことができます。

左から「燈塔茶(とうとうちゃ)」緑茶をベースに、千日紅とジャスミンを使った工芸茶。灯台のような赤い千日紅の花がポイント。/「萬事如意(ばんじにょい)」緑茶をベースに菊の花を使ったもの。「物事が意のままに運ぶ」という意味の名前で、黄色い花の色が鮮やか。贈り物にもおすすめです。/「マザーオブラブ」緑茶をベースに、大きなピンクのカーネーションの花が顔を出します。ほのかな花の香りがアクセントに
左から「燈塔茶(とうとうちゃ)」緑茶をベースに、千日紅とジャスミンを使った工芸茶。灯台のような赤い千日紅の花がポイント。/「萬事如意(ばんじにょい)」緑茶をベースに菊の花を使ったもの。「物事が意のままに運ぶ」という意味の名前で、黄色い花の色が鮮やか。贈り物にもおすすめです。/「マザーオブラブ」緑茶をベースに、大きなピンクのカーネーションの花が顔を出します。ほのかな花の香りがアクセントに
左から「スイートメモリー」緑茶がベース。赤い千日紅と白いジャスミンの花がタワー状に重なって、愛らしいお茶です。/「花籃(はなかご)」緑茶をベースに、菊・千日紅・バラ・キンセンカの花を使ったゴージャスなお茶。かご一杯の花をイメージし、かごの持ち手もちゃんと作られています。/「ヴィーナス」緑茶の中から、大輪の牡丹の花が現れます。茶葉と花が開いていく様子は圧巻の美しさです

左から「スイートメモリー」緑茶がベース。赤い千日紅と白いジャスミンの花がタワー状に重なって、愛らしいお茶です。/「花籃(はなかご)」緑茶をベースに、菊・千日紅・バラ・キンセンカの花を使ったゴージャスなお茶。かご一杯の花をイメージし、かごの持ち手もちゃんと作られています。/「ヴィーナス」緑茶の中から、大輪の牡丹の花が現れます。茶葉と花が開いていく様子は圧巻の美しさです(協力=工芸茶専門店クロイソス)

 

 

出典:『暮らしの図鑑 お茶の時間 楽しむ工夫×世界のお茶100×基礎知識』翔泳社刊行 暮らしの図鑑編集部 編 より