自称イクメンにも捧げる!パパに役立つ育児本3選

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2017/12/28 14:00

育児に関係する本は世の中にたくさんあるので、どの本がいいのか目移りしてしまいませんか。パパ向けに育児のノウハウを語ったど真ん中な本から、知的好奇心を満たす変化球な一冊まで、個人的にお薦めな3冊を紹介します。

「あーあー」な日々を過ごしてます

 早いもので赤ちゃんが生まれて、あっという間に2か月が過ぎました。表情が出てきたり「あー」や「うー」などの母音が発音できるようになったり、毎日様々な変化が起こっています。

 母音を発音しはじめることを「クーイング」といい、言葉の発達のはじまりだそうです。

 赤ちゃんが「あー」と発音したら、親も「あー」と返してあげることが言葉の発達の上で重要ということで、赤ちゃんとともに毎日「あーあー」言って過ごす日々を送ってます(笑)。

 前回記事には予想以上の反響がありました、読んで頂いた皆様、どうもありがとうございます! 私と同じ育休取得経験がある男性とMTGがあった際には、育児話が盛り上がりすぎて本題を忘れてしまいそうでした……。

 そんな感じで記事をきっかけに、育休や育児に興味がある皆さんと会話する機会が増えているのですが、お薦めの本ありますかという質問をチラホラ受けることがありました。そのため今回は、実用な内容から変化球まで私が読んで役立ったと思う育児関連本を紹介します。

1冊目:社会学者が当事者目線で実情を綴った『ワンオペ育児』

『ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常』藤田結子著、毎日新聞出版、2017年6月

ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常』藤田結子著、毎日新聞出版、2017年6月

 まず一冊目に紹介するのは『ワンオペ育児』。私より前に育休を取得した経験がある友人に薦められて読んだ本です。

 著者の藤田氏は社会学者であり、ご自身も4歳のお子様を持つ母親なので当事者の目線からママたちの実情を伝えています。

 実はお恥ずかしながら「ワンオペ育児」というのが具体的にどのような状況を指し、どういった困難なのか本書を読むまで知りませんでした。

 読んでびっくり。なかなか過酷な状況です……。

 特にパパたちに読んでもらいたいのが第二章の自称イクメン問題。本書によると「仕事より家族を優先したい」「父親も育児に参加すべきだ」と答える父親は多くなっている一方で、父親たちの家事、育児参加時間は1990年代から現在まであまり増えていないそうです。

 実際パパたちが「育児」という言葉を語るとき、それはたいてい「世話」ではなく子供と「遊ぶ」ことを指している──。正直私も実際に育児を経験するまでは、そのようなイメージを抱いていた一人です。

 でも「世話」と「遊び」は違います。ママたちが求めているのは家事、育児をいかに減らしてくれるのかということ。「世話」ではなく「遊び」をしているだけなのにアピールしている「自称イクメン」たちに、ママたちがイラつくのも無理はありません。

 といったような話を含め、取材と客観的なデータから現在の問題点について鋭く切り込んだ内容なので、読み応えある一冊です。

2冊目:パパになる人のはじめの一冊として最適『パパ1年生』

『パパ1年生』安藤哲也著、かんき出版、 2012年2月

パパ1年生』安藤哲也著、かんき出版、 2012年2月

 次に紹介するのは『パパ1年生』。著者の安藤氏は2006年にパパの育児支援を行うNPO法人ファザーリング・ジャパンを設立した人物。いわゆる「イクメン」の走りの人物と言えるでしょう。

 内容はまさに「パパ1年生」に向けた教科書といったところ。生まれる前にやっておくべきこと、育児のルーティンについての解説、パパが育児に参加することで子供にどんな影響があるか……など、マンガも交えてパパの心構えを解説しています。

 個人的に興味深かったのは「社会人は社会で生きるべき。会社だけで生きていればいいという時代ではない」という主張。仕事が大切なのはもちろんですが、育児に積極的に関わることで新しいつながりも生まれます。

 そういう中で新たな視点を得たり、関係性を作っていくことは不確実な時代におけるリスクヘッジにもなるという発想は、人間関係が会社中心になりがちな男性にとっては、目からウロコなアドバイスではないでしょうか。

3冊目:脳科学×育児の切り口が新鮮な『パパは脳研究者』

『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』池谷裕二著、クレヨンハウス、2017年8月

パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』池谷裕二著、クレヨンハウス、2017年8月

 最後の一冊は、脳研究者の池谷裕二氏の著作『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』。元々脳科学系の本が好きなので池谷氏のことは知ってましたが、本書の切り口は池谷氏にとっても新境地だと思います。

 本書の内容を一言で表すのなら実娘の4歳までの成長観察日記となります。実娘の成長を通して脳の発達と変化を平易にかつ愛情たっぷりで解説していて、グイグイ引き込まれてしまいます。

 面白いところを一部紹介すると、たとえばオキシトシンの話。オキシトシンという相手に尽くしたくなるホルモン(愛情ホルモンとも呼ばれている)が存在するのですが、女性は出産時にそれが大量に分泌されるそうです。

 一方で男性は、抱っこしたりおむつを変えたりといった「直接触れる」行動をしないと、オキシトシンが分泌されません。つまり、スタート時点からパパとママの間には愛情ホルモンベースで天と地ほどの差がついちゃってるので、パパは頑張って追いつくしかないそうです(苦笑)。

 脳の神経細胞の「数」の話も不思議です。

 どういうことかというと、脳の神経細胞の数は「おぎゃー」と生まれた瞬間が一番多くて後は減っていくそうです。そして3歳になるまでに約70%の神経細胞が排除され、生き残る神経細胞はなんとたったの30%。

 この30%は変化せず、健康ならば100歳を超えても30%を保持し続けます。つまり、3歳までに残った神経細胞を一生使うことになるのだそうです。まさに「三つ子の魂百まで」。不思議ですね~。

 こんな感じで「へー」という内容が詰まっているのに加え、一か月ごとに子供の成長と脳の発達が解説されているので、実際に自分の子供だとどうなんだろう? と子供の成長と合わせて読み返してみるのも楽しいです(まさに私は、ただいまそれを実践しております)。

 これから育児を行う予定がある方はもちろん、今まさに育児の真っ最中の方でも楽しめる3冊だと思いますので、興味があればぜひ手にとってみてくださいませ。

 コーナー名どおり来年も「ぼちぼち」と続けていきますので、よろしくお付き合いください。皆様よいお年を! 

Writer PROFILE

  • 押久保 剛(編集部)さん

    第2メディア編集部 部長 兼 MarkeZine編集部 編集長

    1978年生まれ。立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、『MarkeZine(マーケジン)』の立ち上げに参画。2006年5月のサイトオープン以降、MarkeZineの企画・運営を一貫して担当。

    2011年4月(当時32歳)にMarkeZine編集長、2015年4月からはマーケティング/EC/事業開発/ライフスタイル領域のメディアを管轄する第2メディア編集部 部長に就任。MarkeZine編集長を務めつつ他メディアのグロースを支援する。自社書籍の販促支援を目的とし2015年4月に新設されたマーケティング広報課の課長も兼任している。2017年10月10日の第一子誕生に合わせ管理職初の育休を取得。復帰後も仕事に育児に奮闘する日々を過ごしている。

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