砂糖不使用のあんこを作ろう

こんにちは、インナービューティープランナーの田辺真穂と申します。もうすぐ2歳になる息子の育児に奮闘しながら、岐阜県の田舎にある自宅で、小さなお料理教室「-minamoto-」を主宰しています。
心と体の健康や美しさ、家族と囲む食事の時間においしい笑顔。「作る先、食べる先には、幸せしかない」そんなことを叶えたくて、腸を整えるおうちごはんや、本みりんを活用したみりんスイーツをお伝えしています。
照りツヤを出し、上品な甘さをつけ、お料理をグンとおいしくしてくれる、本みりん。醤油、味噌、酒、酢に並んで、日本のおいしい食卓にはかかせない、伝統の発酵調味料ですね。
今日は本みりんの活用術として、みんなが大好きな「あんこ」を、お砂糖ではなく、みりんを使用して作る方法をお伝えしたいと思います。
そもそも、本みりんって何だろう?
いきなり「本みりんであんこを作ろう!」と言われても……と戸惑ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。まずは、本みりんとは何かご紹介したいと思います。
一般的にみりんと呼ばれるものには、3つの種類があります。
1)本みりん

本みりんはもち米、米麹、焼酎(またはアルコール)を原料として、長い期間をかけて、糖化・熟成させて作られます。この糖化の過程で麹の酵素が働き、上品な甘みを引き出す糖類、アミノ酸やビタミン、腸内の善玉菌を増やす効果のある有機酸などを作り出します。また、アルコール度が14~16%になるので、酒類に分類され、そのまま飲むこともできます。
本みりんには、伝統製法と工業製法で作られたものがあります。
・伝統製法:上質なもち米と米麹を使用し、仕込んだみりんもろみを長い期間をかけて、糖化・熟成させて作る伝統的な製法。
・工業製法:熟成期間が40日~60日と比較的短く、でんぷんやたんぱく質の利用率を短期間であげるため、加圧蒸煮や高音液化などの処理を施して作る工業的な製法。
2)発酵調味料
米を米麹で糖化し、酵母によって発酵させ、アルコールと糖類、そして塩分を加えて作られます。アルコール度数は、本みりんと変わらない14%前後ですが、本みりんと違って、発酵調味料は塩分が添加され、そのまま飲むことができないため、酒類には分類されません。
3)みりん風調味料
水あめやブドウ糖などの糖類を主成分とした、甘味調味料です。糖化や発酵の過程はなく、みりんの風味に似せるために、様々な人工調味料をブレンドして作られます。アルコールは1%未満とされています。
皆さんのお家にあるみりんは、どのみりんですか?
わたしは、麹や酵素の力だけで糖化され、必要以上の手を加えず、丁寧に作られた、伝統製法の本みりんをおすすめします。ちなみにわたしが使っているのは、岐阜県の川辺町にある白扇酒造さんの福来純「伝統製法」熟成本みりんです。
伝統製法の本みりんを使うメリット
※以下で紹介する本みりんは、伝統製法で作った本みりんを指します。
本みりんは、こんなうれしい効果をお料理にもたらしてくれます。
- 上品な甘さ
- 照りとツヤ
- うまみ
- 香り
- 消臭
- 煮崩れ防止
味、香り、見た目。あらゆる面からお料理をおいしくしてくれるのです。
また、栄養価も見逃せません。
本みりんには、糖化・熟成の過程でできる、アミノ酸やビタミン、有機酸などの、砂糖にはない栄養成分がたくさん含まれています。これらの栄養素が、次のような様々な栄養効果をもたらしてくれます。
1)腸内環境を整える
糖化の過程でできる、ブドウ糖やオリゴ糖、有機酸には腸内環境を整える効果があります。腸内環境が整うと、健康・ダイエット・美肌・免疫力アップ・精神の安定など、様々な健康効果があります。
2)疲労回復
糖化熟成の過程で作られるアミノ酸や有機酸には疲労回復の効果があります。
3)代謝促進
本みりんに含まれているビタミンB6は、たんぱく質をエネルギーに変えてくれる栄養素です。
4)美容効果
本みりんに含まれているアミノ酸は、健康な肌や髪、爪を作るので、美容効果も期待できます。
このように、本みりんはお料理をおいしくしてくれるだけでなく、栄養がたくさん含まれる、素晴らしい伝統調味料なのです。
低GI
もうひとつおすすめしたい理由が、みりんのGI値にあります。
GI値は、食品ごとの血糖値の上昇率を示す値で、60以上が高GI食品、60以下が低GI食品とされています。
注目したい本みりんのGI値は15。白砂糖が109、比較的GI値が低いとされている、甜菜糖でも65はあるので、こうして比べてみると、歴然の差ですね。
血糖値の急上昇は、健康や美容にも悪影響を及ぼします。
低GIで、甘さを引き出せる本みりんは、料理だけではなく、スイーツの甘みとして使用するのもおすすめなのです。
というわけで、本題です。
あずきを炊く時にも、お砂糖ではなく、みりんを活用して、健康にも美容にもうれしい、おいしいあんこを作りましょう!
