在米10年、ニューヨーク州在住のMischaさん。この3年で趣味のハンドメイドを仕事にしたことで、以前に比べ精神的にずっとこの国で暮らしやすくなったと言います。しかし一方で、新たな悩みも……。『みんなの暮らし日記ONLINE』3周年。みなさんはどんな3年でしたか?

▼目次

アメリカで「専業主婦」は評価されない?

 「みんなの暮らし日記オンライン」に執筆者の一人として参加させていただいてから、早いもので3年になりました。

 この3年で私の生活には大きな変化がいくつかありましたが、その一つが趣味のハンドメイドを仕事にしたことです(過去記事「何かを始めるのに年齢は関係ない。私が趣味を仕事にするまで」)。

 それについては、以前書いたので詳しいことは省きますが、「ただの専業主婦」だった私にとって、何でもいいから何か仕事をしていると人に言える立場になったことは大きな収穫でした。

 初期のエッセイの中で、アメリカでは「専業主婦」という立場が日本のような形では評価されないと書いたことがあります(過去記事「ニューヨーカー夫婦のリアル『家事分担』」「アメリカ人は「家事」をどう考えている? 」)。

 女性が「結婚したら家庭に入る」という考え方自体があまりない、といったほうがいいかもしれません。アメリカでは性別に関係なく、仕事や学業やボランティア活動といった「私はこれをしています」と言える肩書がないと、周りの人にただブラブラ遊んで暮らしているのかと思われかねません。

 そういう意味で、今の私はたとえ物理的な店舗はなくても「ハンドメイドの作家兼ショップオーナー」という名刺を作ることができ、以前に比べ精神的にずっとこの国で暮らしやすくなりました(といっても、早くて50代半ばで定年退職をしてしまうと、もう肩書は期待されなくなります)。

コロナ禍がもたらした大きなチャンス

 ハンドメイドをビジネス化してから最初の数か月は、ギフトショップへの納品と友人知人からの個人的な注文で、隙間時間にできる程度の仕事をしていました。ところが、以前も書きましたが、コロナウイルスの蔓延でマスクを作ることになり、思いがけず生活が仕事で手一杯になったのです(過去記事「コロナ禍、ニューヨーカーたちの工夫、取り組んだこと」)。

 世界中で多くの犠牲者が出たのに、パンデミックのおかげでと言うのはあまりに申し訳ないですが、猫の手も借りたいほどマスク作りで忙しくなりました。

 なにしろアメリカ人は普段からマスクなどしたことがなかったので、急に政府から着用するようにと言われてもこれといった入手先がなく、お店からも友人たちからも注文が殺到したんです。

 いくつもの型紙を試しては、ああでもない、こうでもないと納得が行くまで作り直し。

 西洋人の顔は、アジア人の顔と違って「顔の幅が横にせまく、鼻が高い」傾向があります。試着は夫にも協力してもらいました。

試着は夫に協力してもらいました
試着は夫に協力してもらいました

 おかしなことに、夫の鼻が高すぎて(英語では「大きい」と表現します)、私の顔にぴったり合うマスクでは夫の鼻を覆い隠せないのです(笑)。鼻先にちょっとかかるくらいのマスクでウイルスを防げるだろうか? う~ん、この幅だとアメリカ人には合わない可能性があるなあ、でもアジア人ならどうだろうかなどと、どの人種のお客さんにも合うように作るため、デザインやサイズを工夫しましたよ。

 私自身、ものづくりにおいていろいろと勉強になりました。

私の作ったマスクはあっという間に完売しました
私の作ったマスクはあっと言う間に完売しました

 最高の着け心地を追求したおかげか、お店に納品したマスクはその都度あっと言う間に完売しました。

 この写真は、お店の「マスクコーナー」です。青い矢印をつけたビニール袋に入ったのが私の作品です。

 ちょうど一つしか残っていませんでした。マスクは私を含め4名のハンドメイド作家たちが商品を出しています。

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みんなの暮らし日記ONLINE 2020/07/10 06:00
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