その4  G君とHさんの場合「お金のため」

 これもよく聞くパターンなのですが、お金をセーブするためにPACSをします。ほぼ結婚と同等の権利が与えられることで、2人で負担する合計額が大幅に減額できるメリットがあります。節税もできるし、住居なども1人で1つのアパルトマンに住むよりも2人で1つに住むほうが1人あたり安く済みます。そのため、書類だけで気軽にできるならと、とりあえずPACS!なんて言う人も多くいるのです。ただ、こう言ったパターンで気軽にPACSをした2人は、私のまわりのデータではありますが、別れる率が残念ながら高いです。

番外編  I君とJさんの場合「完全に個人的な理由」

 私達の親しい友人に、とても真面目なカップルI君とJさんがおります。社会人になって、共通のお友達を通して知り合った二人。すぐに意気投合しておつきあいをすることになりました。

 I君にとってJさんは初めての恋人であり、すぐに運命の人だと思ったそうです。真面目な性格のせいなのか、同棲するまでに2年ほどかかり、さらに2年の月日を一緒に過ごした後、とうとうPACSをすることにしました。

 でもこれには少し驚いた私達。

 なぜなら彼らみたいな真面目なカップルで、金銭的にも仕事的にも何も障害がなさそうな2人は、4年もおつきあいをした後は結婚をすると思っていたのです。

 そんな彼らがPACSを選んだのには特別な理由がありまして、それはI君の一族が関係していたのです。

 I君はとても熱心なキリスト教の家庭で育てられ、今でもミサなどには必ず一族で出席をしないと許されない環境なのだそう。でも、I君自体はそれほど熱心な信者ではなく、そのような一族の行動に対し、少し疑問を持っているのです。ただ、一人っ子ということと、親が高齢な事、そして代々続く名門ファミリーということもあり、家族が元気なうちは、家族に合わせるつもりなのだと。

 そんな彼があえて結婚をしないのは、フランスでは結婚と言うのはキリストの前で愛を誓うことであり、宗教色が強いから。

 自分が疑問に思っている世界に、自分の愛する人、そして子どもを強制的に入れたくない。自分が築く新しい家族は、宗教に縛られたくないと言う反発の思いがあり、あえて結婚はしないのだとか……。

 このように、PACSといってもさまざまな理由があります。

 ちなみに私も今の主人と結婚する1年前にPACSをしました。それはなぜなら、滞在ビザが欲しかったから。PACSをすることでパリに住む権利が与えられ、今の主人と生活できるようになり、そして結婚を決意。2人一緒にパリで結婚の準備をしたのです。これまた、フランス人と結婚したパリ在住の外国人にとってはよくある形の事実婚です。

 実際は、日本でイメージされる“愛があれば形式なんて!”とはかけ離れた理由で事実婚をすることが多いフランス人。ロマンチックで自由翻弄に生きているイメージの強いフランス人ですが、案外世界の中でもとても堅実的な国民なのかもしれませんね。

Writer PROFILE

  • マダム愛さん

    ブログ:「マダム愛の徒然日記」


    Instagram:@madameaiparis


    フランス人の夫と4歳の息子とパリで3人暮らし。
    海外とは無縁だった私が、たまたま東京駐在中だったフランス人と恋に落ち、気がつけばパリマダムとやらになっておりました。慣れない海外生活は大変な事もあるけれど、その分、新しい発見もあたくさんあり、刺激的で楽しい日々を送ってます。そんな私から見たフランスの良いところや不思議なところ、面白いところなどを皆様に紹介できたら嬉しいです。

     

    こだわり

    海外生活は日本と違う所がたくさんあるのは当たり前。”郷に入れば郷に従え”の精神でフランス文化を受け入れつつも、日本の良さも忘れず、2つの国の良いとこどりでポジティブに生活しております。

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    yukoさん
    Instagram:@yukosob
    blog:「ローマのおいしい生活in東京」
    マダム愛さんのブログに出会ったのは私がローマに住んでいたころ。愛さんのブログには私の大好きなパリの香りがあふれていて日々の生活を楽しんでいる様子が軽快で楽しく綴られています。一度ローマでお会いした事がありますが想像していた通り洗練された雰囲気で美しいマダムそのものでした。それでいてブログの文章通り気取りがなく明るい方で初めてお会いしたのに話がはずんであっという間の楽しい時間だったのを覚えています。ママになってますますご活躍の場を広げた愛さん。これからもファンの一人として応援しています。

    フランス情報誌「ノアゼットプレス」編集人 吉野亜衣子さん
    blog:「今日もパリで困ってます!」
    初めてお会いした時、ハイヒールに巻き髪の美しいマダムらしい愛さんが現れ、穴の開いたスニーカーに枝毛だらけの私は「世界が違う」と家に帰りたくなりましたが、お話ししてみたら彼女のざっくばらんな酒飲みトークであっという間に3時間。お土産で頂いた子ども用長靴が可愛すぎて絶叫。性格もセンスも良いんです。フリーペーパー「ノアゼットプレス」にレストラン紹介の連載を毎月お願いして3年以上ですが一度も締め切りを過ぎたことがない奇跡の人。誠実さも兼ね備えていると来た。褒めすぎて嘘っぽくなっていますが本当です!

    Rさん
    パリ旅行のための情報収集で、愛さんのブログを参考にさせていだいたことが出会いのきっかけでした。とっても気さくでオープンマインド、そしてしなやかさを持った方。異国生活での日々の大小様々な壁にも、楽しみながら挑戦されている、バイタリティ溢れる美しくて素敵な憧れのマダムです。

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