レジ袋有料ではなく、完全禁止! エコ先進国フランス事情

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2020/09/14 05:00

パリで暮らすマダム愛さん。渡仏当時、あまりに厳しい環境保護対策に驚くことも多かったそうです。

▼目次

【フランスレジ袋事情】2016年から有料化

 日本でも、2020年7月1日より、レジ袋が有料化されましたね。

 今まで当たり前にように使っていたものが使えなくなるということにどうしても不便さを感じてしまうかもしれませんが、プラスチックゴミが環境に悪く減らすべきと知っている今日、誰もが納得の制度かと思います。なのであっという間に皆が受け入れ、それが当たり前のようになるのでしょうね。

 実際に、世界の60カ国以上では日本よりも早くレジ袋に対し何らかの規制をしております(“SINGLE-USE PLASTICS A Roadmap for Sustainability”, United Nations Environment Programme, 2018)。

 私の住むフランスでは、2016年にレジ袋が禁止になりました。

 しかもその翌年の2017年からは第二段階として、生鮮食品売り場で使用する袋(量り売りのフルーツや野菜を入れるものなど)も禁止になりました。

 これはEUが2015年に加盟国に対し、一人当たりのレジ袋年間消費量を40枚以下にすることを義務付けたからです。さらには2018年、新たに10品目に当たる使い捨てプラスチック(例えばプラスチックのスプーンやコップなど)製品の流通も2021年までに禁止するという法案を可決しました。

 2014年の時点でフランスは、一人当たり年間80枚のプラスチック袋を消費していたので、40枚にするには半分にする必要がありました。そのため、この法案が可決された翌年からすぐにレジ袋が禁止となったのです。

 そう、お気づきかと思いますが、フランスの場合、日本のようにレジ袋は“有料”なのではなく完全に“禁止”となりました。しかも、レジ袋に対して既に何らかの規制を行っている国の中でも珍しい、議会承認の上での禁止国となっております。

 もちろんそれには抜け穴のようなものもありまして、生分解性プラスチック袋で50ミクロン以上の厚みのある頑丈で再利用可能なものであれば有料で買うことが可能となっております。

 でもスーパーのレジの前で売られているこういった袋はけっこうしっかりとしている分、お値段もお高いため、フランス人はめったなことがない限り利用しようとしません。

 また店側もこの規則に違反した場合、最高で罰金10万ユーロを支払うことになるので、忠実にその政策を守らざるを得ません。このように議会承認の上で厳しくレジ袋禁止の政策が実行されたにもかかわらず、それに対する混乱はフランスではあまりなかったように思います。

 なぜならそもそもフランスではその前からレジ袋は有料となっている場所が多く、日本のように買い物をしてレジ袋に丁寧に入れてくれるお店なんて、超高級スーパーかデパートに入っている食品館くらいしかなかったので、元々フランス国民にとっては“レジ袋は簡単にはもらえない特別なもの”という意識があったからだと思います。なのでこの政策が開始された時点で既にエコバッグを利用している人が多く、特に生活に変化がなかったのかもしれません。

【エコ先進国】フランスは環境保護に対する意識が強すぎるほど

 それに比べると日本は、例えばコンビニでガムひとつ買っても、レジ袋に入れてくれようとしますよね。それが当たり前だったので、なかなかエコバッグを持ち歩く癖がついてない人も多いと思います。

 ちょっと近所のコンビニに買い物に行こう! なんていう時は、財布だけ持ってふら~と出かけてしまう人も多いのではないでしょうか。

 スーパーなどに行っても、買い物した後に必要以上のレジ袋を渡してくれて、なおかつ袋詰めするテーブルには、違うビニール袋が置いてあったりします。このように袋はもらえるのが普通で当たり前と思っていた方も多いのではないでしょうか。

 かくいう私も日本にいた時はそのように思いながら生活をしておりまして、財布しか入らないような小さなカバンのまま、レジ袋をもらえるのが当たり前の状態で、ふらりとコンビニに立ち寄ったりしていたものです。

 でも、今、両方の国で生活をしたことがある私にとって、その差は歴然。フランスに比べると日本は本当にレジ袋天国で、フランスの比ではないなと思います。

 案外知られていない話かもしれませんが、フランスは世界でもエコ先進国と言われています。

 CO2の排出量、世界の主要15カ国を比べた2017年のデータによると、その排出量は1番少なく、総排出量の0.9%です(「全国地球温暖化防止活動推進センター」世界の二酸化炭素排出量2017年より)。

 それに比べ日本はと言いますとフランスの約4倍に近い3.4% で5位となっています。ちなみに1位はダントツで中国の28.2%、2位アメリカは14.5%、3位はインドで6.6%……何とトップ3の国だけで世界のCO2総排出量の半分を占めていることに! これには私も驚きました。

 ただ、中国やインドは人口も多いので、一人当たりに換算すると1位はアメリカ……そして残念なことに日本は2位となってしまいます。それに比べてフランスは、さらに世界の中でも順位が下がり、先進国では断トツでCO2排出量が少ない国になるのです(ただ、これは、フランスが原子力大国だというのも大きな理由のひとつでもありますが)。

 フランスで生活をしていると、この国がエコ先進国と呼ばれるのは納得。

 何と言ってもフランスはこの環境保護に対する意識が強すぎるあまり、規制が多く、日本に比べると不便な点がたくさんあるからです。

 あまりにも環境に対して厳しい規制がありすぎて、渡仏した当初、びっくりすることもしばしばありました。もう、全てを書くと100ページくらいになってしまいそうなので控えさせていただきますが、今回はこのレジ袋有料化に関連した話として、フランスが取り組むスーパーでのエコ対策を少し紹介させていただこうと思います。

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