線路に使われた木を使って。趣きのあるアプローチ

リフォームの最後は、外構です。
元々は昔ながらの門構えがあって、和風の木が生い茂る玄関前。
駐車場の位置はそのままに、門は取っ払いました。
オーストラリアで線路に使われていた木を使って枕木を敷いてもらい、趣きのあるアプローチができました。
作って本当に良かった、ウッドデッキ

さらに大きく変わったのはリビングに面するウッドデッキ。
今ではよく見かけるようになりましたが、その時ウッドデッキと聞いてもピンとこなくて、正直イメージのしにくいものでした。
社長の家がウッドデッキがあるということでお邪魔させてもらい、ようやくこういうものなんだと納得しました。
そして作るのであれば、
“椅子と机が置けて、なおかつ人が通れるスペースがとれる広さにすること”と言われました。
その意味は暮らしてからわかることに。
大きなウッドデッキは、バーベキューをするのに椅子や机を置いても余裕の通り道があり、子どもが小さい頃はプールや流しそうめんをしたりと、毎日のように活躍しました(リビングに面しているおかげで大人は涼しい室内から見守れるという利点も!)
リビングダイニングから同じ高さのまま外に出ることができ、1部屋増えたような感覚。
14畳と決して広いわけではないのですが、外の空間と窓ガラス1枚で繋がることで視界が広がり、実際のよりもかなり広く見えると言われます。
ウッドデッキとウッドフェンス、ほんとうにいるのかなあと悩んでいたのが嘘みたいに、家のいちばんにぎやかな場所になったかもしれません。

外構工事は費用がかかる
ただ、外構工事は、思っていた以上に費用がかかりました。
「工事」というだけあって、大がかり。
木を1本植えるにしても、芝を敷くにしても、それもどうしようか悩んだ原因のひとつでした。
一戸建てのリフォームを考えてらっしゃる方は、そのあたりの予算は思っているよりも多めにとっていたほうがいいかもしれません。
庭の変わっていく自然は、豊かな心をはぐくんでくれる
記念にと植えた桜の木は、引っ越した当時4歳の長女の背丈くらいの大きさでしたが、8年経った今では大人の身長もはるかに超える大きさに成長しました。
春になれば桜の花が咲き、そのあとにサクランボのような甘酸っぱい実をたくさんつけます。その実を食べに、いろんな鳥がやってきます。
そんな風景を見ながら過ごす時間は、きっと社長が望んでいた庭の形だったんだろうなあと何年か経ってから気付かされました。
素敵な時間をプレゼントしてもらった気分です!
「お店なら常に緑があって、というのもいいけれど、実がなったり葉っぱが赤くなったり落ちたり、変わっていく自然を見ることは大事ですよ」と言われたことを思い出します。形のあるものだけでなく、暮らしていくうちに訪れる変化に対応すること、さらに経年劣化の美しいものを取り入れることは豊かな心をはぐくむことにも繋がります。
心地よい漆喰の部屋
このリフォームで一番よかったのは、やっぱり漆喰(しっくい)です。
玄関、リビングダイニング、洗面所と3カ所塗りましたが、全部の部屋に塗っておけばよかったなあと思うほど(特に、寝室とトイレ!)。
漆喰の部屋で干した洗濯物は匂いません。月日が経つほどに漆喰が白くなっていくのも不思議です。アレルギーのある大工さんもなぜか漆喰の部屋では症状が出にくいとも言っていました。
それになによりも、心地いいのです。
“モノ”だけでなく、どんな暮らしがしたいのか。
どんな時間を大切にしたいのか。
今はどんなことにストレスを感じているのか。
迷ったときはそんなことを考えて自分の中の“心地よさ”を思い出すといいかもしれません。
ひとつだけ、ちょっと後悔していること


いいことしかなかったリフォームですが、ひとつ、戻れるとすれば……
キッチンにごみ箱を置くスペースをあらかじめとっておけばよかったです。
窓際にペダル式のごみ箱を置いていますが、外に出るとき、ダイニングテーブルの位置を移動させたとき、ちょっと邪魔になることがあります。
これがキッチンにピッタリはまってくれていたらなあ、とここだけはちょっと後悔。
少しずつ揃えていくのも楽しい
リフォームは、予算に応じて多少融通はきくので、予算をいっぱいいっぱいに使ってしまわないことも必要です。
というのも、家がきれいになったら、またそれに見合うカーテンだったり照明だったり、そんな欲しいものも増えていきます。(照明は大切!)
うちではリフォームが済んでからダイニングテーブルをオーダーでお願いしたり、ソファーもずっと欲しかったお店で(当時数か月待ち)頼んだり、椅子も思い切って1客買ったり、そうしてひとつずつ揃えていきました。
なんでも一気に買ってしまえるのならもちろんいいですが、手元にお金ができてから本当に欲しいものを少しずつ増やしていくのも楽しみです。
暮らして落ち着いてから、“こんなのがあったらいいな”という理想のものを時間をかけて待つ時間もいいですよね。
こうして今、家作りやリフォームのお話をさせてもらえる機会をいただいたり、リフォームをする友人から参考にさせてほしいと言われることが結構あります。
今の状態を見てもらうことはできますが、以前の説明はなかなかことばではうまく伝わりません。
リフォーム前や、リフォーム途中、仕上がっていく様子をもっと写真に残しておけばよかったなあと思うこともあります。
子どもは小さかったので、ほとんど覚えていません。
「こんなんやったんやで~!」ともっと見せられたらなあ、とちょっと心残りではあります。
少しずつ手を加えながら、自分の暮らしや成長に合わせて家を育てていくのが楽しみです。
