こんにちは整理収納アドバイザーの能登屋英里です。
普段はこちらのサイトで「無理せず、自分らしく暮らす」をテーマにインテリア、整理収納、暮らしのことについて記事を書かせていただいています。
我が家は築50年弱の中古ビンテージマンションを購入し、フルリノベーションを行いました。15年のアパレルディスプレイという経験を生かし、設備選びや内装などのデザインは全て自分で行いました。


都心部の利便性を優先したので、52㎡とコンパクト。
この狭い空間でいかに快適に暮らせるかを考え抜いて、さまざまな工夫をしています。
これからリノベーションをしたいと考えている方へ、リノベーションの魅力や進め方について3回にわたってご紹介します。
第3回目は「将来や生活(家事)動線を見据えた、間取りや収納」についてお話しします。
中古物件を購入してリノベーションする方が年々増えているのはご存じですか?

我が家はスケルトン(壁や設備を全部解体した)状態でスタート
一度壁や設備を取り壊すので、間取りを自由にカスタマイズできるところが、リノベーションが増加している理由の一つだと考えられます。
実は、間取りを少し工夫するだけで生活ってスムーズになるんですよ。
私へサービスを依頼くださるお客様の中には、間取りや収納が使いこなせずに嘆いている方が多く、もっとこうだったら使いやすいのになと何度思ったことか(もちろん最近は住宅メーカーも整理収納アドバイザーとコラボレーションしてマンションを作っていたり、力を入れ始めているそうですが)。
そんな観点からも私はリノベーションをかなりおススメしているわけですが、ではどうやって間取りを決めればいいのでしょうか。
間取りや収納で失敗したくないという方必見です!
将来を見据える
当たり前のようで、見落としがちなのがこの将来を見据えた間取りにすること。
例えば、子どもが2人いる場合、部屋は3部屋(夫婦・子どもそれぞれ)必要! と思いがち。
そして1部屋ずつがとても狭い、ということはありませんか。
しかもその家を購入する時期は、まだ子どもは小さい。家族で一緒に寝るためには部屋が狭かったり、部屋数を取った分リビングダイニングが狭くなり、大きな家具が置けない、ゆっくりくつろげないとなることも。

あなた(家族)にとってどんな生活が理想なのかを想像しましょう。
我が家は52㎡と狭小住宅です。なので寝室は3.5畳と極限まで狭くし、寝室にはクローゼットは作らず別に設け、リビングをできるだけ広くする工夫をしました。
理由は一つ。それは”家族が一番長く過ごす時間はリビングだから”です。
子どもが生まれるまでは、リビングの奥の部分(現在キッズスペース)にベッドを置いてリビングで寝ていたこともあり、将来的に子どもが個室を欲しいとなったら、また夫婦でリビングに寝るのもありだと設計しました。

子どもが一人部屋を必要とする年数を計算してから個室を何個にするのか考えてみると良いでしょう。例えば、私も個室をもらったのは高校1年生のときでしたし、極端に言えば大学進学とともに一人暮らしするとなったら、たった3年しか個室を使わない計算になります。それでも無理やり狭い個室を作りますか?(笑)
生活(家事)動線を考える

もう一つ大事なのが、生活動線に合わせた間取りや収納の場所を決めることです。
玄関から帰ってきて、鍵、アウター、バッグをどこに置き、ショッピングバッグをキッチンまで運んで収納する。
洗濯をして洗濯はどこで干す? どこで畳んで、どこに収納する? アイロンはどこでかける? 頻度は?
など全ての生活や家事には動線があります。
あっち行ったりこっち行ったり、何度も同じ場所を行き来していませんか?
家族それぞれ動線は違います。考えて間取りを決めましょう。
収納をしっかり考える
間取りも大事ですが、もう一つしっかり考えてほしいのが収納の場所。
余った場所を収納にするのではありません。必要な場所に収納を作りましょう。
これ意外とびっくりされるんですよね。普通余った場所が収納でしょって思われがちなんです。
家族の人数や生活スタイルでも収納の場所もサイズは違います。
例えば、週末に大量に買い物をする方ならば、パントリーを広く取り、玄関からパントリーへ直行できる間取りにするとスムーズです。
住宅収納スペシャリストという資格

私は「住宅収納スペシャリスト」という資格を持っています。住宅収納スペシャリストとは「心地よい住まいづくりを提案するために住まい手のモノの持ち方・暮らし方に合わせた収納提案ができる人」(ハウスキーピング協会より)。
住まい手のモノの持ち方や生活(家事)動線に合わせた、間取りや収納のサイズや場所をアドバイスできる資格になります。
間取りや収納でそんなに変わるの? と思うかもしれませんが、本当に劇的に変わります。
例えば、洗濯する場所→干す場所→畳む場所→しまう場所(収納)が最短の距離でできるように洗濯機の近くにベランダやサンルーム、ウォークインクローゼットを作るなど、生活(家事)動線に沿って間取りや収納を作ると良いでしょう。

他に、洋服をたくさん持っている方はどのくらいの大きさのクローゼットが必要かを計算しましょう。ハンギングか収納ケースかによっても必要サイズは変わります。
手持ちの洋服が入りきらず、結局ハンギングラックを買い足すことにならないためにもしっかり計画しましょう。
迷った際は、住宅収納スペシャリストに相談してみてくださいね。