難関資格「チーズプロフェッショナル」を持つ、眞鍋かをりさん
秋。モンドールの季節です
秋ですね! 今年もまた、秋限定のウォッシュ系チーズ「モンドール」の季節がやってきました。
この連載もありがたいことに3年目。モンドールのシーズンも3回めです。一昨年はオススメのモンドールの食べ方や「焼きモンドール」について、昨年はモンドールに合わせるワインについて書きましたが、まだまだ、モンドールには秘められた魅力があると思っています。
今回は、モンドールの持つ特徴を考えながら、意外な組み合わせをご紹介したいと思います。
モンドールを日本酒と合わせて
モンドールの一番の特徴といえば、やはり熟成段階でまとう「エピセア」という木の香り。この木の香りとリンクする樽熟の白ワインはモンドールの良きパートナーですが、それ以外にも、木の香りにピッタリな組み合わせはたくさんあります。
例えば、日本酒なんていかがでしょう。エピセアはクリスマスツリーにもなる、もみの木の一種で、爽やかな森林系の香りがします。この組み合わせはなんとなく、「檜風呂に入りながらの盃」や「樽酒」を連想させられて、なかなか好きなんですよね。中でもフルーティな大吟醸は、相性抜群です。
温かい紅茶と合わせて、ほっと一息
お酒ではなく、紅茶をモンドールに合わせるのも大好きです。フレーバーティーよりも、しっかりと茶葉自体の香りを楽しめるタイプがおすすめです。木の香りと茶葉の香りがともに自然を感じさせてくれて、なんだか遠い親戚のような組み合わせだなあ……と思いながらいただいています。
実は温かい飲み物はチーズの脂肪分を溶かしてくれるので、口溶けの変化も楽しめるうえに、胃にも優しいんです。

フルーツやスパークリングワインと合わせてさっぱりと
熟成すると中身がトロッとクリーミーになるモンドールは、フルーツともよく合います。舌触りがリッチなクリーミー系のチーズは、ジューシーで爽やかなフルーツと合わせることで、さっぱりいただけるのです。秋ならマスカットや梨、冬はリンゴやイチゴなどが旬ですね。

また、クリーミーさをさっぱりさせてくれるものといえば、スパークリングワインも忘れてはいけません。シュワっと爽やかな泡が口の中をリセットしてくれるので、リッチなチーズにはベストパートナーです。

クリーミー系には泡とフルーツ。鉄板なので覚えておくと便利ですよ。
最近はノンアルコールのスパークリングワインをよく見かけますが、少しフルーティな甘さがあってシュワッとしていて、もしかしたらシャンパーニュよりモンドールに合うかも!? と思ってしまいました。
お酒を飲まない方でも、チーズの特徴を知ればマリアージュを楽しむことができます。
今年もぜひ、モンドールで秋~冬の訪れを感じてくださいね。