ものが持つ思い出も大切にしたい

 ――古道具や古家具と、現代産のものだと割合はどれくらいでしょうか?

 割合で考えたことがないので大まかにですが、古い家具が9割で現代産のものが1割くらいでしょうか。

 道具に関しては古い道具が6割くらいで現代産のものが4割くらいかと思います。

 道具については、生活しているうえでどうしても現代のものに頼らざるをえない部分もあるので、このくらいの割合かと思います

 ――古道具や古い家具を選んだり、古い道具と暮らしたりするうえで気をつけていること、こだわっていることはありますか?

 受け継ぐ、譲っていただく、購入するなど、出会い方は様々ですが、年代や作り、素材、どのようにメンテナンスするかは必ず聞くようにしています。また、出会ったもののエピソードや思い出、使い方や当時の暮らしの話も可能な範囲で伺っています。

 祖母が我が家へ来た時に話してくれた電気傘の思い出を耳にしてから、聞けることは聞いておこうと思うようになりました。

台所という空間作り

 ――キッチンも素敵ですね。

台所

 ありがとうございます。台所と食器棚はお気に入りの場所です。でも実は、引っ越した当初は嫌で嫌でたまりませんでした。玄関を抜けて、はじめに入る部屋がダイニングなのですが、台所の壁一面に貼られたステンレスの壁のインパクトが強くて、抵抗があったんです。

 台所に立つとどこを見ても必ずステンレスが目に入ることに、非常にストレスを感じていました。ですが、古い家具や雑貨が増えるにつれてキッチンというよりも台所という言葉が合う空間作りをしていこう、と考え方が変わるようになりました。

 そう思うようになってからは少しずつこのステンレスの壁も気にならなくなって、逆に台所の空間を作ってくれる1つと思えるようになってきました。

 それからは台所というイメージを作るために、昭和や大正時代を背景にしたドラマや朝の連続テレビ小説などをたくさん見ました。道具の置き方や使っていたものの素材、食器など細かいところをチェックして、道具を集めたりしました。

台所用品
さい箸は竹細工の体験で自分で作りました。調理用のハサミは元々緑色の塗装がありましたが、剥がれてきたのでシルバーに磨き上げました。

 とはいえ現代の道具などもたくさんあります。なので、強調しないシンプルなものを選んで新旧のデザインがケンカしないよう揃えています。

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