子どもには、ものを大切にする気持ちを育んでほしい

 ――お子さんにも古道具や古家具を好きになってもらったり、受け継いでもらいたいとお考えですか?

 我が家にはもうすぐ中学生になる長男、小学生の次男、園児の長女と三人の子どもがいます。どの子に対しても、古いものを受け継いでもらいたい・好きになってもらいたい、という気持ちは特にありません。

 ただ、我が家は便利なものが揃っている現代の暮らしに比べると、ちょっと手間のかかるものが多いと思います。この暮らしの中でたくさんのことを学んでいってほしいですね。特に、ものを大切にするということは学んでいってほしいです。

 以前何かのコラムで『現代のものや家具は壊れることを前提に作られていて、壊れたら買い直すというサイクルになっている。一方、昔の家具や道具などは壊れたら修理してまた使うことを前提に作られていた。だから現在でも何十年も前のものが残っている』と読んだことがあります。だから、今あるものを大切に使ってほしいと思うんです。

 加えて、我が家は元々主人の手先が器用なので、おもちゃや家具、道具などが壊れたらまずは直せないか判断し、最終的には直してくれることも多いです。また、イメージに合う道具や家具が見つからなければ、自分で作ってしまおうという考えなので、自然と修理したり作ったりするということが当たり前になっています。

子ども三人が乗り継いだおもちゃ。破れたシートをヴィンテージの布に張り替え
Wheels Bug(ウィリーバグ)という元々はてんとう虫の乗り物でしたが、3人の子どもたちが乗り継いだことでシートが破れたりしました。なのでヴィンテージの布に張り替え。住宅事情によりタイヤの部分には防音を兼ねてコルクシートも貼ってもらいました。

 ものがすぐに手に入る時代だからこそ、子どもたちにもすぐに買えば良い、壊れたら買い直すという考えではなくて壊れたものと一度は向き合ってもらいたいし、一つひとつを大切に長く使ってもらいたいです。

 実際に、子どもたちが小さかった頃は「パパが直してくれるからね」と修理してくれている姿を一緒に見ていました。成長とともに、一緒に直してみたり自分で考えさせてみたりと、子どもたちに自然と身についてくれるよう過ごすようにしています。

 ――今後「暮らしをこうしていきたい」という目標や夢、挑戦してみたいことは何ですか?

 今は正直なところ見つかっていないし、ありません。

 ですが、古いものたちを取り入れた暮らしをはじめていくにつれて、調味料を作ってみたり、お寺や神社などを回って御朱印を集めるようになったり、苦手ながらも刺し子をはじめて足の遠のいていた手芸屋さんに行くことが楽しみになっていたりと、自然と今までやったことのないことに挑戦して、暮らしに取り入れるようになっています。

 なので逆に、次に何に惹かれてどんなことに興味を持ち自分の引き出しが増えるのか楽しみにしています。



Writer PROFILE

  • 山津 潤香さん

    Instagram:@junka_momiji


    神奈川県在住。
    年の離れた主人と3人兄妹……年子の兄弟と7つ離れた長女との5人家族です。
    日々パワフルな子どもたちに振り回されながらも、祖母から母へと受け継がれている暮らしの知恵を引き継いで大切にしていきたいと思いながら暮らしを楽しんでいます。
    『かぞくのじかん vol.40 夏 2017年 06月号』(婦人之友社、2017年6月5日)に掲載していただきました。