冬が旬の個性豊かな柑橘たち
黄色とオレンジ色がいっぱいに並べられた店先の棚は、遠目で見ても心華やぎます。大中小でサイズ分けされて、ざっくりとザルに入れられたみかんだったり、箱入りで積み上げられたのは年末感たっぷりです。
その隣には、日本の冬には欠かせない柚子が静かに鎮座し、旬は冬ですよーと言わんばかりに国産のレモンも並んでいます。
どれもこれも、今が旬の柑橘類です。

みかんは言わずもがな、子どもの頃から馴染みの果物でした。
東北では柚子が採れないからか、あまり食卓に上がることがなかったので、よく食べるようになったのは大人になってからです。関東では庭木にされていることも多く、いただいたりする機会もあり、身近なものになった気がします。
そしてレモン。日本でも作られていると知ったのは、料理の仕事をするようになってからです。この季節になると欠かさず冷蔵庫に入れてある果物です。
みかんはそのまま食べることが多く、柚子とレモンは料理に使うことがほとんどですが、時間がある時には塩漬けやジャムなどの保存食を作ったりと、いろいろな食べ方でいただいています。
いろんな種類をあわせて。柑橘を味わう冬のぽん酢
いろいろ作る中で、毎年必ず作るのはぽん酢です。
ぽん酢は橙(だいだい)で作り、しばらく寝かせることが多いですが、今回は旬のいろいろな柑橘をあわせて作るぽん酢を紹介します。
半日くらい置いておけばおいしくいただけるので、朝に作れば晩ごはんには美味しいお鍋がいただけますよ。

柑橘の割合は、その時にあるもので構いません。ただ、2種類以上で作ったほうがおいしいと思います。
柚子は果汁が少ないので、柚子だけの場合はたくさん必要になるし、レモンだけだと酸味が強くなり、みかんだけだと酸味が足りないことが多いので、できるだけあわせて作ることをおすすめします。
そして組み合わせることによって香りも重なり、奥深さが出てくるのもおもしろいところです。その柑橘自体の味によっても変わってくるし、割合でも違ってきます。
その時々で変わるのも自分で作る醍醐味です。毎回、違う味というのがとても気に入っています。この冬、自分の好きな割合を見つけ、ぽん酢作りもぜひ楽しんでみてくださいね。
ぽん酢

材料
- みかん、柚子、レモンなどの果汁 あわせて100ml
- しょうゆ 150ml
- 昆布 10cm角1枚
- かつお節 5g
作り方
- 小鍋にしょうゆ、4等分に切った昆布、かつお節を入れ20分置く。
- 【1】を弱火で3分加熱し、香りがたったら火を止める。
- 【2】の粗熱が取れたら果汁を入れ、2時間ほど置いてなじませ、ザルで濾す(時間があれば半日ほど置いてから濾すとよい)。