こんにちは。料理家・国際中医薬膳師の齋藤菜々子です。
薬膳とは、中医学(中国の伝統医学)の考えに基づいて、季節の変化や不調などの目的に合わせ食材選びがされた料理のこと。特別な食材や生薬は本来必要ありません。
身近な食材のもつ効能を毎日の食卓に取り入れてこそのものなんです。
なので、すべてが当てはまるわけではありませんが、たとえば夏野菜は体の熱を取るものが多いように、旬の食べ物はその季節の体にぴったりということがよくあります。
今月もそんな旬の食材が持っている効能とおいしい食べ方をご紹介したいと思います。
食べすぎ、イライラ改善には「大根」がいい!
大根は食べ過ぎた時の消化を助けてくれる食材。元旦を迎えてから一週間経つころに無病息災を願い「七草がゆ」を食べる習慣がありますが、七草のうちのひとつ「すずしろ」は大根のこと。
ついつい食べ過ぎて胃もたれしている時やお正月太りが気になっている時におすすめです。

また、大根のように香りの豊かな食べ物は、薬膳ではストレスやイライラを和らげる食材とされています。アロマの香りを嗅ぐとほっとリラックスするのと同様に、食べ物のもつ「香り」にも効能があるんです。
ストレスが溜まっている時は、筋に症状が出やすくなります。目の下がぴくっと痙攣したり、脇腹や肛門に急にキンとした痛みが走ったり。こんな症状があったら、お疲れのサインかもしれません。
大根のほかにも柑橘類、大葉、ハーブ類など香りの豊かな食材を摂ってみてくださいね。
大根の効能
・消化を助ける
・ストレスの解消
・吐き気や痰のからむ咳に
韓国風ぶり大根
大根は上部のほうが水分が多く、甘みが強いという特徴があるため、生のサラダや大根おろしで食べたい時は、上部の青い部分を使うとよいです。今回紹介するレシピは煮物なので、どの箇所を使っていただいてもOKですが、上部を使うとよりジューシーに仕上がります。
だし汁を使わないので、家にある調味料で手軽に作れますよ。

材料(3~4人分)
- ぶりの切り身 3切れ(200g)
- 大根 1/2本(550g)
- にんにく 1片
- 白菜キムチ(カットタイプ) 150g
- A水 500ml
- A酒・醤油・味噌 各大さじ2
- A砂糖 大さじ1
- ごま油 大さじ1
- 細ねぎ 適量
作り方
- 大根は1.5cm幅の半月切りに、にんにくは薄切りに、細ねぎは斜め薄切りにする。ぶりは3等分に切る。
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鍋に熱湯を沸かし、酒をひとまわし(分量外)回し入れる。ぶりをさっとくぐらせ周りの色が変わったら取り出し、冷水にとる。やさしく表面を手で洗い、キッチンペーパーを敷いたバットにのせ水気を切る。
冷水にとり、表面をやさしく洗います -
鍋に大根、にんにく、キムチ、Aを入れて沸かす。さっと混ぜて味噌が溶けたら、ぶりを加える。蓋をして弱めの中火で20~25分煮る。途中で1~2回ぶりが崩れないようにやさしく混ぜる。
- ごま油を回しかけ、器に盛り、細ねぎを散らす。
ポイント
魚は霜降りという下処理をすることで、臭みが軽減されます。