冬の“かくれ脱水”にご注意!

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2021/01/04 12:00

気温が下がり、乾燥する真冬。免疫力のゆらぎも気になる季節です。この冬に注意したいのは風邪だけではありません。この時期に注意したい隠れ脱水を防ぐためのポイントをご紹介します。

 実は冬にも、気づかぬうちに体内の水分量が減って身体機能に不調をきたす恐れのある「かくれ脱水」が起こります。しかも、冬は脱水に気づきづらいのです。

 脱水症の啓発活動を行う医療従事者により組織される「教えて!『かくれ脱水』委員会」の医師 谷口英喜先生に「かくれ脱水」が起こる理由と、冬のかくれ脱水のリスクについて解説していただきました。

冬のほうが「かくれ脱水」に陥りやすい理由

 空気が乾燥していると肌から水分も奪われやすくなりますが、それ以上に危険なのは、気温の低い冬は夏と違って汗をかかず、喉も渇きづらいので脱水を起こしていても気づきにくいという点。

 ゆっくりと起こる「かくれ脱水」に気づかず、体調を崩したり、ウイルスへの抵抗力が弱って初めて「水分をもっととっておくべきだった」という結果になりかねません。

 次の4つの視点で注意ポイントをご紹介します。

  1. 長い自粛期間で水を溜める臓器、“筋肉”が衰えている!
  2. ウイルスから守ってくれる「粘膜」のはたらきが正常でなくなる
  3. 脱水による便秘で腸内環境が悪化!免疫バランスが崩れることも
  4. コタツでうっかり“ぬくぬく”うたた寝が危険!
水を溜める“筋肉”が衰えている!

 2020年の春先から現在まで、新型コロナウイルス感染症の予防のためになるべく外出を控え、自粛生活を送っていたという方が多いことでしょう。外出機会が減り、1日中座りっぱなしで仕事をしたりしていた生活の中では、おのずと筋力が衰えます。

 軽い運動を毎日室内で行うことを心がけ、また、たんぱく質など、筋肉を作ってくれる栄養素を摂るように心がけましょう。

 たとえば次のような運動が比較的簡単にできますよ。画像の左半分がバランス保持運動、右半分が筋力強化運動です。

出典:公益社団法人 日本理学療法士協会
出典:公益社団法人 日本理学療法士協会
「粘膜」のはたらきが正常でなくなる

 口や鼻の粘膜には、体内に入ってきた細菌やウイルスの侵入を防御し、排除してくれるはたらきがあります。鼻や喉の粘膜の表面に無数に存在する毛のような「繊毛(せんもう)」が、ウイルスをキャッチし、外へ外へと押し出してくれるのです。

 しかし、空気の乾燥ばかりでなく身体が脱水していると、粘液が十分に分泌されず、繊毛が乾き、このはたらきが損なわれてしまいます。

粘膜の繊毛のはたらき
粘膜の繊毛のはたらき

 冬の脱水は気づきが遅いですから、渇きを感じなくとも定期的に水分補給を心がけましょう。めまいやこむら返り、だるさなど、軽い脱水の症状を感じたら、対処のためにいつでも経口補水液を摂れるように、普段からの備蓄もおすすめです。

脱水による便秘にも注意!

 かくれ脱水は便秘の原因にもなることがあります。

 便秘によって不要な内容物が長時間腸内にとどまっていると、腸内細菌のバランスを悪化させ、免疫バランスの崩れを引き起こすことも。特にウイルスが気になる今、便秘は解消しておきたいものです。

 腸内環境を整えるには、腸管の活動を維持する食物繊維(きのこ類や藻類など)を多く含むもの食べること、乳酸菌を摂ることができるヨーグルトで腸内環境をよくしておくこと、水分をたっぷり摂ることが重要です。

 ただし、水だけを多く飲むとかえって脱水傾向が助長されることがあるので、要注意です。

 腸内の水分量だけの話ではなく、消化管に流れる血流自体も少なくなってしまうと消化管の動き(ぜん動運動)が鈍化し、内容物が溜まりやすくなります。体内に吸収され、血液中に水分をとりこむためには、塩分、糖分、水分をバランスよく摂取し、身体に吸収させることが重要。

 水よりも吸収されやすい塩分・糖分濃度で作られている経口補水液で脱水状態が改善されることで、便秘が改善される場合も考えられます。

 下剤を使用すると脱水を進めてしまったり、腸内環境を乱してしまう恐れもあるので、食物繊維・ヨーグルト(乳酸菌)・水分補給(経口補水液など)で対策しましょう。

コタツでうたた寝も脱水に!

 コタツは馴染みの深い冬の貴重な暖房器具。心地よさから、ついうたた寝をしてしまうという方も多いのでは? しかし、コタツで眠ってしまうと体温が上昇し、気づかないうちに大量の汗をかき、かくれ脱水が進行してしまう危険性があります。

 眠っている間に脱水が進行すると、血管を流れる血液の濃度が濃くなり、血液中のコレステロールなどが詰まりやすくなる傾向が現れる場合も。さらに、急に寒いコタツの外や暖房のついていない部屋に移動することで血管が収縮してしまうことから、ますます血管が詰まり、血流が滞ってしまい脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な疾病を起こし、救急搬送が必要になる事態も起こりえます。

 コタツのうえに果物や水分などを置いて、なるべくこまめに水分を摂るようにしましょう。頭痛やめまいなど、体調の悪化を感じたら脱水を起こしている可能性があります。経口補水液をすみやかに摂るようにしましょう。

脱水がヒートショックの一因になることも

 冬期、寒暖差のある場所移動では急激な血管の収縮や弛緩が起こり、血圧の急激な変化は血栓などさまざまな身体への負担を招きます。それが入浴時の溺死につながることも多いヒートショック。

 脱水もまた、ヒートショックを起こしてしまう1つの要因となる場合もあります。高齢者の場合はもともと体内の水分が少なくなっているうえ、心地よさから、つい長めに入浴する傾向もあり、発汗によって脱水の進行につながります。脱水は、血液の濃度を高め、血栓を作りやすくするのです

 入浴時の脱水の予防のために、コップ1杯の水を「入浴の前後にとる」ことをおすすめします。また、あまり水分を摂取できていない日などは、すみやかに水分が体内に吸収される経口補水液を取り入れるのがおすすめです。

 寒い季節、風邪を気にしがちですが脱水にも気をつけたいですね。

【監修医師】済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 医師 谷口英喜先生

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