アメリカで「コロナ太り」が話題にならなかった理由

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2021/01/10 06:00

アメリカでも「コロナ鬱(うつ)」は問題になっていましたが、「コロナ太り」について聞かなかったとか。その理由は? ニューヨーク州在住のMischaさんが教えてくれました。

2キロ程度の増量は問題じゃない。アメリカ人のダイエット事情

 2020年は本当に世界中がコロナウイルスに翻弄(ほんろう)された1年でしたね。日本ではコロナ鬱(うつ)とか、コロナ離婚、コロナ太りとコロナ禍に関した言葉がいろいろ流行ったと思います。ここアメリカでも失業や生活が変わることで精神的に追い詰められるコロナ鬱(うつ)は問題になりました。

 が、「コロナ太り」っていうのは見聞きしなかったですね。

 日本人が言う「正月太り」とか「コロナ太り」ってのはせいぜい2~3キロの増量と思いますが、それでもすぐにそれを解消するダイエットがメディアや雑誌で話題になると思います。

 ところがアメリカ人にとっての2、3キロは「太る」うちに入らないんですよ。そう、アメリカ人にとってダイエットというのは、10キロ、20キロ級超の減量を意味するんです。

 コロナ禍でむしろ問題になったのは、自粛生活で在宅時間が増えた人たちの、運動不足による持病の悪化の方です。そういえば去年はおととしよりも外を歩く人たちの姿を頻繁に見ました。歩いている人たちのほとんどは普通体型の人です。

 以前アメリカのスーパーには必ず椅子付きの電動カートがあるとお伝えしましたが、利用者のほとんどは、かなりの肥満者が占めています。重すぎる体重の負担で腰や膝に痛みがあったり、ちょっと歩いただけで息が切れるため歩けない、歩きたくないというわけです。

 肥満の域に入ると、少しでも動きたくない人が多い中、コロナの状況で外を歩いてるアメリカ人たちは、ダイエットというよりもストレス解消のため、ちょっとした運動不足のために歩いてるといったほうがよさそうです。

 

アメリカ人女性の平均体重は?

 アメリカは言わずと知れた肥満大国。肥満が社会問題になって久しいですが、なんと2020年に肥満率がついに人口全体の40%を超え、42.4%になったそうです。

 肥満というのは単に体重だけでなく体脂肪が過剰に蓄積した状態なので、多くのアメリカ人にとって「太っている」ことはもはや美意識の問題というより、生命にかかわる問題なんですね。

 ちなみにアメリカの成人女性の平均身長は約164cmですが、平均体重は77.4キロだそうです。日本人女性より背が高いとはいえ、アメリカ人女性の78キロ近い体重は、やはり多すぎるでしょう。

 以前「アメリカの女性は容姿も年齢も気にしない」という話をしましたが、基本的にアメリカ人、特に女性は「人は人、私は私」という考え方をするので見た目を気にしない人が多数派です。

 そういえば昔のアメリカの映画を見ると、学校で太っちょの男の子がいじめられるシーンなどがありますが、昔は太っていること、他のみんなとは違うことが普通に欠点だったんだと思います。

 しかし近年は違います。アメリカでは、人に容姿のことを言うのはタブー。一切言いません。

 日本ではよくほめているつもりで「やせた?」なんて言いますよね。これで相手がどんな反応をするのかは言ってみないとわかりませんが、やせているか太っているかは「個性」であって、長所や欠点ではない。顔や体の特徴もその人の個性であって、美醜を基準にとらえない人が増えているアメリカでは、何も言わないのが一番です。

 それでも彼女たちがダイエットをするときは、元々美意識、健康意識が高いのか、あるいは深刻に医者に勧められた時と言っても過言ではないかもしれません。

「KETO」がアメリカで大ヒットしたわけは?

 そんなアメリカでは、ダイエットの主流は食事療法と運動が一般的です。「アトキンス式低炭水化物ダイエット」や「ウエイト・ウオッチャーズ」といった食事療法がメインのプログラムが有名。運動からアプローチするフィットネスクラブでのプログラムなど、やり方は日本と似ていると思います。

 ところがこの数年で、「Ketogenic Diets(略してKETO、発音はアメリカ人が言うとキィトォ、Tの音を落とす人が多いので、キィロォとも聞こえます)」なるものがアメリカで大流行しました。

 これちょっと理解するには複雑で私にも難しいんですけど、簡単に言うと「炭水化物を減らし、油脂を多くとるダイエット」なんだそう。

 日本でも「ケトン体ダイエット」といって、コーヒーにバターを入れて飲むというのが一部で人気だったそうなので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

 アメリカでは医学的にも油(動物性、植物性の両方とも)よりも炭水化物のほうがより心臓疾患などの病気に影響があるなどと言われ始めていて、バターが大好きな主人の母が健康意識は人並み以上に高いのに最近バターを「解禁」して、料理にどっちゃり使い始めたほどです。

 Ketoが勧める脂肪はアボカドやサーモンといった良質のもののようですが、「油脂」を積極的に取り入れるダイエットがアメリカ人にウケたのは、不思議ではありません。

 この他、数は少ないですがコンニャク・スパゲティとかカロリー制限したい人向けの食品もあります。

ダイエットフリークの私も「コロナ太り」

 ところで私、30代の初めから20年以上も体重コントロールをしているダイエットフリークなんです。これ以上は絶対超えたくないという体重を設定し、少しでも超えるとすぐにリセットするようにしています。

 しかし私自身も「コロナ太り」を避けることはできませんでした。コロナ禍で極端に外出が減って在宅時間が増えると、ストレスの矛先が「食べること」に行ってしまい……。

 今回はまだ体重が戻りませんが、アメリカへ来てから自分にブレーキをかけるために欠かさず朝と夜の体重を「記録」することを続けています。私にとって、好きな自分、自信を失わないでいられる自分でいることが大切なのです。

 私のダイエットの記録については、また次回にご紹介しますね。



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