きれい? 雑? イタリア人の整理収納
見た目を気にするイタリア人。キッチンはごみ箱を隠せるようになっていたり、洗剤やキッチン道具などはシンク下の棚や引き出しにしまったり、余計な小物は見えないところに隠してスッキリを徹底!
なので、どこのお宅に伺っても、きれいに整っていて、ごちゃごちゃしているイメージを抱かないかもしれません。
ですが、実は引き出しや物置の中はぐちゃぐちゃ……なんてことがよくあるんです。時には捨ててもいいものが入っていたり……。

職場でもイタリア人の同僚は、引き出しの中のモノを使った後、たいてい元あった場所に戻してくれません。元に戻したとしても、投げ入れるような感じなので……、引き出しの中がどんな状況かはご想像の通りです。
元の場所にモノを戻さないので、モノ探しはしょっちゅう。「引き出しの中は整頓して、モノは元の位置に戻してほしい」とお願いして、「気づいた人がやればイイんじゃないの?」と返ってきた時には、ただただ唖然とするしかありませんでした(笑)。
とはいえ、郷に入っては郷に従え。仕事以外の場では、私も口を出しません。そして、私もごちゃごちゃの引き出しに慣れてきた感があります。一緒に探し物に付き合うのも日常茶飯事です。
一方、衣類や寝具に関しては、さすがイタリア人、こだわりがあるようです。洋服やシーツはもちろん、下着までアイロンをかけ(!)、きれいにたたんで収納。ですので、クローゼットの中はとてもきれいです。
最初見た時は驚いた! かなり大胆な掃除方法
日本はできるだけ汚さないようにする、という習慣が身についていますが、イタリア人の生活を見ていると、汚しても掃除すればいいんだから、という感覚があるように思います。
食後にテーブルのまわりを見ると、パンくずがたくさん落ちていたり。裁縫なんかをするにしても、糸くずを一か所にまとめておいてごみ箱に捨てるなんてことはありません。次の日の朝に床掃除をするんだから、細かいごみは気にしない! と床にはらい落としてしまう感じです。
しかし、いざ掃除するとなったら、モップがけをしてピカピカに! 一般家庭でも床はタイルや大理石の家が多く、こちらは土足で出入りするので、モップがけは必須です。大理石の床は、年に数回、専用の電気ブラシで磨きます。
以前、知り合いが引っ越し先の家を掃除するところに居合わせたことがあるのですが、汚れがひどかったからか、その時に見た掃除方法は衝撃的でした。
床に直接洗剤をまいてブラシで磨いたら、バケツの水を広げて洗い流し、ブラシを使ってベランダに水を流しだす……というなんとも大胆な洗い方。「荒いな~」なんて思いながら見ていましたが、ある意味とても効率的に見えました。

場所が変われば、文化も習慣も変わる。ごみや掃除に対する感覚もずいぶん違うんですね。
ちなみに、雑巾にしてもモップにしても、イタリアの掃除道具はフェルトやスポンジ生地でできているものが多いです。


また、こちらの水道水は石灰成分が多い硬水で、キッチンのシンク周りに白っぽく石灰の結晶がたまったり、蛇口やシャワーヘッドが目詰まりを起こしてしまいます。専用の洗剤もありますが、ここでイタリア人の生活の知恵が登場! お酢が石灰を溶かしてくれるようで、水道周りの掃除にはお酢を使う家が多いんですよ。