おいしいものいっぱい、朝昼晩楽しいイタリアの「バール」

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2021/02/23 06:00

ローマ暮らしが長かった曽布川優子さんが懐かしく思い出す、イタリアならではの「バール」のお話です。

▼目次

おいしいコーヒーと、ちょっとした軽食

 イタリア人にとって欠かせない存在のバール。「BAR」と書きますが「バー」ではなく「バール」と読みます。

 バールはバリスタがいれるコーヒーを中心に、軽食もいただける飲食店。イタリアのコーヒーというとエスプレッソが主流です。エスプレッソマシーンで淹れたものは、家で飲むものより一味も二味も違います。

 また、バリスタによってエスプレッソの味が変わるとも言われています。イタリア人は、自分の行きつけのバールがあり、いつも会う人たちやバリスタとの、たわいのない話をする社交場にもなっています。

 3歩歩けばバールにあたる……と言うのは大げさですがそのくらいの数のバールが街にはあります。日本でいうところの「スターバックス」のような存在でしょうか。ただスターバックスのようなチェーン店ではなく、それぞれのバールに特色があります。

 また長居はせず、立ち飲みでさっと済ませることが多いですが、1日に何回も通う人もいます。

朝、昼、夜。軽食は時間帯で変わる

 パン屋さんやお菓子屋さんの一角にバールコーナーがあるところもあります。そういったバールは、サンドイッチなどの軽食がおいしくて評判なところが多いです。

 コーヒーはどの時間帯でも一日中飲めますが、軽食類は時間によっておいてあるものが変わってきます。

 朝はコルネットと呼ばれるクロワッサンのような甘いパン系が並びます。

 甘いパンとカプチーノは、イタリア人の基本の朝食です。

 バールで朝食をとることが多いイタリア人。朝の時間帯はバールが一番にぎわう時間帯でもあります。

 朝行くと甘いパンとカプチーノで、仕事前に朝食をとっているイタリア人を見かけます。朝ごはんってこんなに簡単に済ませるのと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

 ローマの語学学校に通っていた頃、いろいろな国の人と「自分の国の朝食」というテーマで座談会をしたとき、日本の基本的な朝食に「ご飯とみそ汁と焼き魚など」と話したら朝からそんなに食べるのかとびっくりされたことがあります。

 イタリアをはじめ、ヨーロッパでは朝食は簡単なものが多いです。イタリア人の朝食もパンとカプチーノが主流です。

 ちょっとビタミンを摂りたいなというときはサラダではなく「スプレムータ」と呼ばれる生のオレンジを絞ったフレッシュジュースをいただきます。

 またこのスプレムータがおいしいです。

 お昼が近づいてくると甘いパンの代わりに、トラメッチーノと呼ばれるサンドイッチや、切り売りピッツァ、または簡単なお総菜が並びます。

 夜は食事の予定があるからなどと言ってお昼はバールで簡単になんて人もいますし、お総菜が人気なお店では買っていく人もいます。

 午後になると主にスイーツ系です。

 一口サイズのスイーツとカフェを楽しむ人もいます。またバールには、グラスワインや軽めのカクテルビールなどもあります。

 夕方になるとオリーブやスナックなどで食事前のアペリティーヴォを楽しむ人がいます。

 そして夜は、レストランなどで食事を楽しんだ人たちのディジェスティーボ(食後酒)タイムです。

 エスプレッソコーヒーにグラッパなどの蒸留酒を入れた「カフェ・コレット」が有名です。もともと消化作用があると言われているエスプレッソに食後酒を加えれば、食べ過ぎた胃もスッキリ、よく眠れるのでしょうか。

バールはイタリア人にとって生活の一部

 バールでは、まず初めにレジで注文をして支払いを済ますところが多いです。

 またバンコと呼ばれるカウンターで済ませる場合と、席に座る場合ではコーヒー一杯でも値段が変わってきます。

 気軽に入れて楽しめるバールは、仕事中でも「カフェ飲みに行く」なんて言って出てしまう人もいます。これはお国柄でしょうか。ただしさっと飲んで戻ってきますが……。

 このように、イタリア人にとっては生活の一部といってもいいバール。イタリア旅行に行かれたときは、ぜひ立ち寄ってみてください。

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