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「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」今年も発表

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2017/07/06 21:00

伊藤園が「第二十八回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の入賞作品を発表しました。

 「お~いお茶」を買うと、ついついパッケージに書かれている俳句をチェックしてしまいますよね。

 今年も「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の入賞作品が発表されました。

 28回目となる今回の俳句大賞は、2016年11月3日から2017年2月末日まで募集していましたが、応募総数は過去最多の1,873,374句!

 その中から見事、最高位賞である「文部科学大臣賞」に選ばれた作品がコチラ。

水筒を垂直にして飲んだ夏
 宮下青生(みやした あおい)さん 14歳 東京都三鷹市

 この作品は、宮下さんがサマーキャンプに行き、飲み物を忘れた友人に自身の水筒を貸した際に、その友人はよほど喉が渇いていたのか、水筒を垂直にしてゴクゴクと飲んだ時の光景を詠んだもの。

 俳人の安西篤さん、金子兜太さん、黒田杏子さん、星野恒彦さん、作家の宮部みゆきさん、日本語学者の金田一秀穂さんといった11名の審査員からの選評は次のとおり。

 暑い盛りの夏の一日。かなり遠くまで遠足に出かけたのです。やっとの思いで目的地に着いた頃は、水筒の水も残り少なくなっていました。それでも喉の渇きを癒すために、水筒を垂直に立てて、残りの水を全部飲まずにはいられませんでした。その時、もうこんな目に会うのは絶対にご免だと思ったものですが、時が経つと不思議に、そんな思い出が一番懐かしく、あの時の頑張りが今の自分の支えになっているような気がしています。

 たしかに、真夏の喉が渇いた時ってこんなふうに水分を取ってしまうことがありますよね。

 続いて大賞もご紹介したいと思います。

【小学生の部(幼児含む)】

プールあと体が地球にへばりつく
 澤田啓汰(さわだ けいた)さん 9歳 東京都世田谷区

(選評)
 プールで精一杯泳いだ後、もう全身綿のように疲れて、なんとかプールサイドに上がったものの、そのまま地面に倒れこんでしまう。両手両足を大の字に伸ばし、うつ伏せのまま、地面にしがみつくようにして、しばらく息を弾ませています。さて、体を立ち上げようとしても、体がいうことを聞きません。なんだか体は、地球にへばりついてしまったような気がしてくるのです。いやもう参ったまいったの感じが出ています。

【中学生の部】

夏帽子深くかぶって地面蹴る
 日浦舞音(ひうら まお)さん 14歳 愛知県刈谷市

(選評)
 夏休みの一日でしょうか。友達との間で、何か気まずいことがあったのかもしれません。そのことを、いつまでもくよくよと思い悩んでいるようですでもそんな自分の姿を、人前に見せたくはありません。かぶっている夏帽子で顔をかくすように深くかぶり直して、地面を強く蹴って走っています。友達とのいさかいにはいささかの悔いと、自己嫌悪の思いが混じっているようです。まこと青春時代は、胸に棘さすことばかりですね。そんな印象を受ける句です。

【高校生の部】

今日も鍋だまって食べる平和主義
 柴田さくら(しばた さくら)さん 18歳 福岡県福岡市

(選評)
 学校の寮にでも暮しているのかもしれません。団体生活だと鍋料理がもっとも無難で、安上がりな上に結構味も悪くない。それでも毎日となると、さすがに飽きてきます。なんとかならないかと文句のひとつも付けたくなってきています。だが、それを言ってはおしまいですから、そこは我慢して平和主義で行きましょうと、自分に言い聞かせています。もしかしたら家族でも一緒かもしれませんね。「今日も鍋、明日も鍋」とでも歌いましょうか、の気持ち。

【一般の部A(40歳未満)】

手長猿秋天(しゅうてん)ひょいと掴みとる
 鎌田 亜也子(かまた あやこ)さん 37歳 大阪府大阪市

(選評)
 手長猿は、その長い猿臂(えんぴ)をのばして、自分の欲しいものを、わけもなくつかみ取ります。ある秋の日。手長猿は、透明に晴れ渡った秋天に、じつと見入っていました。大分秋天が気に入ったようです。そうなるといつもの癖で、長い手で、その秋天をひょいとつかみ取ろうとします。もちろん、空を切るばかりなのですが、手長猿にしてみれば、なんだなんにもないじゃないかと嘯(うそぶ)いているのかも知れません。その表情が見えるようです。

【一般の部B(40歳以上)】

汐干狩家族平行四辺形
 水野 大雅(みずの たいが)さん 42歳 愛知県名古屋市

(選評)
 好天の春の一日。汐干狩に、家族揃って出かけました。遠浅の浜辺で、思い思いに散らばっているのですが、ふと気がつくと、いつも家族は、お互いが見えそうな場所で、それぞれ浅利や蛤などを採っています。すこしいびつな平行四辺形の範囲の中で、時々移動しながら動いているのです。別に事前に打ち合わせたわけでもないのに、本能的な血の絆が、そんな行動を自然に取らせたのかも知れません。着眼が面白いです。

【英語俳句の部】

 freshly mown grass
 clinging to my shoes
 my muddled thoughts

(訳)刈りたての芝生が/靴にくっつく/まとまらない私の考え

 Gracie Starkey(グレーシー・スターキー)さん 13歳 イギリス・Wycliffe

(選評)  とても斬新で鮮やかな句です。通り雨が降ったあとに、刈られたばかりの芝生の上を歩くと、芝が靴底に貼りついてくる。一本一本微妙に異なる緑色をした芝は、靴底でランダムなパターンを描く。芝生の上を歩きながら人生の出来事について考えていた作者は、ふと、靴底のパターンに気づき、それが自分の複雑な考えを反映しているように思えてくる。“muddled thoughts”(まとまらない私の考え)という表現はとりわけ巧みです。

 ※ 各受賞者の年齢は応募時のものです

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