在米9年、ニューヨーク州在住のMischaさん。自由の国・アメリカと言いますが、やはり生活の中で、日本と違う自由さを感じるそうです。そして、その象徴ともいえそうなのが、アメリカで今、大注目されている「ふくよかな」ヨガインストラクター女性です。(イメージ写真=iStock.com/agrobacter)

年齢を聞かれることがほとんどない国

 これまでのエッセイでなんだかんだアメリカ生活の文句を書き並べた私ですが、住めば都とはよく言ったもので、アメリカに住んでよかったと思えることも当然あります。

 それは自分が、飾ることなく自分らしく暮らせるということ。

 最近、アメリカ人の友達に「この国でいいと思うことは何か」と聞かれて、真っ先にそう答えました。

 アメリカの履歴書には、年齢を書く欄がないと、聞いたことがある人は多いと思います。私はここで就職活動をしたことがないので夫に聞いてみると、それはどうやら本当のことだそうです。

 アメリカの面接官が見るのは、まず学歴と、過去の職歴(経験)なのだとか(職種にもよると思います)。アメリカが日本でも知られる学歴社会というのはおいといて、年齢は採用の対象にならないということですね。そもそも面接官が採用の判断のために応募者に年齢を聞くことは許されていないようです。

(イメージ写真=iStock.com/NAN104)
(イメージ写真=iStock.com/NAN104)

 私が37歳のとき日本で再就職をしようと思ったら、多くの企業が求人枠に女性は35歳以下という条件(希望)を入れていたので、思いのほか就職活動に苦労した話をすると、夫曰く「それはこの国じゃ完全に年齢差別になる」とのこと。特に「女性に対して」となると、すぐに人権団体が動きそうな問題です。

 確かに、28歳と36歳の女性の能力に、どれほどの差があるかと思うと、女性を年齢で選んでいるとしか思えないような話です。

 そういえば、アメリカへ来て普段年齢を聞かれることがほとんどないと、あらためて思いました。

 聞かれるのは病院での診察と、お酒を買ったり飲んだりするときですね。どうみたって21歳以下に見えなくても、飲酒には厳しい国なので、免許証を見せないといけない場合があるんです。

 アメリカはそもそも、若いとか、トシとか、年齢の上下関係とかいう概念そのものが、日本と比べるとないに等しいほど薄いと思います。

 20代までが若くて30歳すぎたらオバサンとか、具体的な年齢でくくるカテゴリー自体がありません。日本では昔女性が25歳を過ぎても独身だと、クリスマスケーキなどと揶揄されましたが、女性が強いこの国でそんなことを言うと、袋叩きにされるに違いないでしょう(笑)。

みんなが対等。年齢の上下じゃない

(イメージ写真=iStock.com/lisegagne)
(イメージ写真=iStock.com/lisegagne)

 ちなみにこんなことがありました。

 夫との家族ぐるみの付き合いで、ホリデーを一緒にすごす友人の親宅でのこと。そこではいつも長男の嫁がキッチンを仕切って、次男の嫁は出る幕がありません(ちなみに、アメリカには「嫁」という概念もないです。あくまで「妻」、夫の親から見ると義理の娘、という考えです)。

 そのことをよくは思わない次男の嫁が、長男の嫁を疎ましく思っているので、私が義母に言いました。

 「日本では、兄弟姉妹の上下関係があるので、次男の嫁が長男の嫁をたてたり、譲ったりして、ケンカになるのを避けると思うけど、そうはいかないんですか?」と。

 すると義母の答えは……

 「アメリカでは、みんなが対等なのよ。年齢の上下じゃないの。

 たしかに、年齢の上下で相手に接する態度を変えるというのは、ここではそうそうない気がします。そもそも皆が年齢に関係なくファーストネームで呼び合うことがその象徴で、会話を聞いただけでは、たとえば上司と部下の関係とか、叔父と甥の関係とかわからないのです。

Mischaさんの記事一覧

もっと読む

これもおすすめ