暮らしを楽しみ、家族に合わせて家を育てるDIY

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2017/07/06 12:00

DIYデザイナーのchikoさんが家具を作る時には、常に家族を思っています。家に合わせるのではなく、家族の成長に合わせて家を変えていくchikoさんの考えるDIYの考え方。

お母さんは大工さん

 私のDIYのきっかけは、お家の寒さ対策でしたが、はじめて家具を作ったのは娘の2歳の誕生日祝いに作ったおままごとキッチンでした。当時はまだ手作りのままごとキッチンを作る人もおらず、私も当然作る気はなく、購入しようとネットで検索しました。しかし、このデザインはいいなぁと思うとまぁまぁな良いお値段。

 こうなったら作ってみよう! と思い。家にあった端材を中心に足りない木材を買い足し、シンクは100均のステンレスボールを使いました。娘だけでなく、その後息子も使い、子供達が大きくなったら、姪っ子にもらってもらいました。

 家具を作る時そのすぐそばには家族がいて、家族の顔を思い浮かべて作ります。

 息子がまだ幼稚園に入ったばかりのころに「どこのお母さんも大工さんみたいなことするの?」と聞かれ、笑ってしまったことを覚えています。子供達は小さなころから私がリメイクしたり、部屋をDIYで改装したりする姿を見ていて、それが当たり前に。

 今では私が急にリビングの壁を塗り始めても、学校から帰って来て壁がなくなっていても、特に驚きません。

 またか……という感じなのでしょう。何せ、16年近くこれをやってきているので。そして、この当たり前の反応が、私にとって、とても嬉しいのです。DIYが特別なことではないという証しなのですから。

新しい日本のDIY文化

 イギリスやアメリカを中心とした海外では自分でお家を直したり、ペンキを塗ったりというスタイルはごくごく普通のことです。文化として根付いてます。しかし、日本はそれが普通ではありません。

 それは文化や住宅のスタイル、歴史と深く関係していると私は思います。日本の住宅は30年から50年で建て替えることを考えた作です。戦後、急速な経済の発展によって、住宅はよくも悪くも進化してきました。建材は天然のものから新建材として樹脂製のもの、軽くて、安価で、便利で多様性があるものに変わっていきました。壁紙はビニールクロス。サッシも樹脂サッシ。これらは簡単にペイントしてどうこうという材質ではないのです。

 そして、日本は『餅は餅屋』的な考えが根強く。お家は専門家じゃないと直せないという考えが当たり前のように据え付けられています。イギリスの友達曰く、イギリスではリフォームのために業者に頼んでも約束の日に来なかったり、工事がアバウトだったりで自分でやったほうが早くて確実だと。日本の業者の仕事はきっちりしています。そのようなことから必要に迫られず、日本でDIYは根付かなかったのだろうと推測されます。

 ところが、ここにきてDIYはブームになっています。それはアメリカやイギリスとは違う楽しみ方。新しい日本のDIYスタイルです。修理、修繕というよりは、暮らしを楽しむ、作ることを楽しむ、インテリアを楽しむ、変化を楽しむ。そのスタイルは嬉しいことに、既に根付いてきています。

こちらはわが家2階の洗面所
こちらはわが家2階の洗面所

 先ほど日本の住宅は新建材の普及でリメイクし辛い材料が増えてきたと言いました。一昔前は難しいかったプラスチックや瓶、アルミのペイントリメイクもニーズに対応して、企業努力で塗装ができる塗料が生まれました。それを使ってかっこよく魅せるクリエイターがレシピや作品をSNSで発信し、テレビや雑誌などのメディアがその情報を発信し、それを見た人がまた作、それをまた発信していく。生活の中でお料理をするように、当たり前に気軽にDIYも楽しめる日が来るのではないかと思います。

私もこのように情報を発信しています。

 そして、大人が当たり前にDIYやモノ作をしていると、子供達もそれが当たり前だと認識するでしょう。それが行動としてあらわれた時に、はじめて文化になったと思える時が来るのではないでしょうか。

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