トマトのリコピンを吸収しやすくする方法

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2018/05/18 18:00

酸味と甘味、水分が美味しいトマト。これからの季節はつい生でいただきたくなりますが、ある調理方法をとると、体内でのリコピンの吸収性が高くなるそうです。

 トマトに含まれる赤い色素「リコピン」には抗酸化作用が認められています。

 体内の活性酸素が増えると、細胞が傷つけられてしまいます。つまり増えすぎた活性酸素が細胞にいたずらし、「体をサビたような状態」にします。リコピンはこの活性酸素を消し去って、生活習慣病から私たちの身体を守ってくれる働きをしているわけです。

 それを知ると、「せっかくトマトを食べるなら、リコピンをきちんと吸収したい!」と思いますよね。

 この度、カゴメと名古屋大学が共同研究をした結果、トマトに含まれるリコピンは、にんにくや玉ねぎ、油と一緒に加熱することで、体内に吸収されやすい構造への変化が促進されることが判明しました。

 トマトを食べるときは、にんにくや玉ねぎと一緒に油で加熱調理をして見てはいかがでしょう?

 で終わると、理由がわからなくてちょっと納得いかないですよね。

 ここから、もう少し説明したいと思います。

キーワードはシス化

 リコピンの構造にはトランス体とシス体という2種類の構造があります。

 これまでの研究で、「トランス体」よりも「シス体」のリコピンのほうが、吸収率が高いことがわかっています。

 ですが、市販されているトマトに含まれるリコピンの多くはトランス体なのだそうです。

 そうなると、どうにかしてトランス体のリコピンをシス体に変化(シス化)させてから食べたいですよね。

 実は、過去の研究で「油と一緒に加熱調理をする」ことがシス化を促進すると実証されています。油で加熱調理するとなると、トマト単体とは考えにくいですよね。そこで、そこでカゴメと名古屋大学は他の野菜がシス化に与える研究をしました。

どの野菜と一緒に調理すると良い?
どの野菜と一緒に調理すると良い?

 その結果、新たに、「にんにく・玉ねぎ」といったユリ科野菜と一緒に、「油と一緒に加熱調理をする」ことが、トマトに含まれるリコピンの「シス化」をより一層促すことがわかったのです。

 ちなみに、このシス化を促進する成分は、にんにく・玉ねぎを加熱調理するときに発生する香り成分「ジアリルジスルフィド」によるものだそうです。

 にんにくと玉ねぎを香りよく炒めて、トマトも入っているもの……代表的で作りやすいものとして、トマトソースが浮かびますね。

 実際に、にんにく・玉ねぎが入ったトマトソースは、生のトマトと比べて、「シス体」のリコピンの比率がおよそ4倍になることが実証されているそうです。

 生のトマトも美味しいですが、トマトソースで楽しんでみるというのはいかがでしょうか?

 最後に、研究情報を提供してくれたカゴメのトマトソースを使ったレシピを紹介して記事を終えたいと思います。

彩り野菜と鶏肉のトマト煮

●材料(4人前)
カゴメ基本のトマトソース 295g(1缶)/鶏もも肉 350~400g/玉ねぎ 2分の1個/黄パプリカ 4分の1個/赤パプリカ 4分の1個/ズッキーニ 1本/塩 小さじ3分の1/黒こしょう 少々/オリーブ油 大さじ1
※基本のトマトソースに玉ねぎとにんにくが入っています。

●作り方
【1】鶏肉は一口大に切り、塩・こしょうをふる。玉ねぎは2cm角、パプリカは2~3cmの乱切り、ズッキーニは1cm幅の半月切りにする。
【2】フライパンにオリーブ油を熱して鶏肉を両面炒めたら、野菜を加えて、さっと炒め合わせる。
【3】基本のトマトソースを加え、フタをして火が通るまで煮込む。(約5分)
【4】塩・こしょうで味を整える。

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