カメラマンのキム・ヤンス(@yankitchen_)さん。大学生の頃からずっと同じメニューの朝食を作り、食卓の写真も撮っています。毎日同じ朝食は飽きないのでしょうか? お話を伺ってきました。

何作ろう? を考えないようにした結果

――キムさんはずっと同じ朝食のメニューを作っていますが、きっかけは何ですか?

 僕は大学の学費や生活費をすべて自分で出す、という約束で大学に行かせてもらいました。そのため、学生時代はバイトを10個掛け持ちしていたんです。

 朝仕込みに行って、ランチ回して、授業に行って、居酒屋行って、また居酒屋行って、バーで働く……。そんな毎日です。

 だから、スケジュール通りに日々を過ごすために「余計なことを考えたくない」と思っていました。料理は好きなので、最初は朝ごはんに和食を作ったりもしていたのですが、それも考えるのが面倒くさいな、と(笑)

 それで「とりあえずパンを1週間食べてみよう」と思ったら、2週間、3週間と続き、ついには1ヵ月続きました。毎日同じだから、記録しておくかと。軽い気持ちで写真も撮り始めて。

 「簡単だし、おいしいし、いいじゃんコレ」という感じでした。それが今まで続いている、というのがわかりやすい説明かもしれません。

――パン、目玉焼き、ウィンナーというのが基本のセットですよね。飽きませんでしたか?

 飽きませんでしたね。

 というのも、メニューは変えないかわりに、いろいろなメーカーや、お店のものを試すことにしたんです。

よく見ると、パンもウィンナーも違います。
よく見ると、パンもウィンナーも違います。

 食パンはスーパーで右から左の棚まで全部試したり、近くのパン屋さんに行ったりしました。卵は1個100円ぐらいのちょっと良いものを使ってみたりもしました。ウィンナーもスーパーにあるものはほとんど試して、「このウィンナーおいしい!」みたいな(笑)

 コーヒーも焙煎まではしませんが、豆を挽いてドリップで淹れています。ドリップ方法や豆を変えると味わいが全然違います。

 だから、全然飽きなかったですね。

同じメニュー、同じリズム

――同じ朝食を作り始めてから、別のメニューを作ろうと考えたことはないんですか?

 目玉焼きをスクランブルエッグにするといった、同じ素材の調理方法を少し変えることはします。

 でも、使う素材を変えて朝ごはんを作ることはしません。今のスタイルの朝食作りがルーティンになっているので、たとえば和食を作ると1日の調子が狂うんです。

 体調が悪くなるというか、1日の動きが悪くなるんです。丸1日、スケジュールが何もないとか、どこかに旅行に行っている場合は大丈夫ですが、家でそれができないとダメですね。学生時代に作ったリズムが染み付いているんだと思います。

 あと、朝ごはんを作っている時にいろいろとアイデアが生まれることもあって。瞑想に近いものがあると思っています。

 それで、ぼーっとしているうちに卵やパンを焦がすこともあります(笑)まあ、それも良いな、と。

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