思い出の物が捨てられない。そう聞いてドキリとしたかたも多いのでは? 自分自身に残る思い出と、思い出にまつわるモノ。それぞれと、どうやって距離を保てば良いのでしょう? これも、ミニマルに生きるための思考の整理のひとつです。

思い出の品、捨てられない問題

 「思い出の品が捨てられないんです。どうしたら良いでしょうか?」

 お片づけの講座や、お片づけサービスにお伺いする際に一番多い質問です。

 つまり、多くの人が“どう解決して良いか、答えが見つからなくて困っている”ということです。

 一口に思い出が強過ぎて捨てられない物というのは、往往にして「良い思い出」ではないでしょうか?

 大切な両親との思い出

 若かりし頃の生き生きと輝いていた頃の自分

 子供が赤ちゃんだった頃・可愛かった頃

 友人たちとの心が温かくなる思い出

 思い出すたびに心が温かくなったり、くすぐったくなったり、幸せな気持ちに包まれ、時には泣きたくなることもあるのではないでしょうか。

 とても、とても良い思い出ばかりです。

“良い思い出”が常に良いとは限らない?

 お片づけサービスとして個人宅へお伺いすると、利用者様が「私ってこんなに思い出を抱えて生きていたんですか……」と驚き、呆然とされる場面にかなりの割合で直面します。

 思い出の物が多い場合、12畳の部屋の床が思い出に埋め尽くされた方や、備え付けの収納の中を埋め尽くしていた物が、実は使っていない思い出の品ばかりだった方も……。

 改めて物と向き合い、ボーゼンとする。

 そんな時に、私はこう声をかけます。

 「思い出の品は、人それぞれ生きてきた足跡というものがあります。どうしても捨てられないものは、その人の人生の足跡です。それに対して、私は捨てろと土足で心に踏み込む真似はしません。

 ただ、これらはあなた自身に今、何をもたらしてくれていますか?

 若かりし頃の自分を思い出して、幸せな気持ちになる。それとは別に、過去と比べてしまって今は不幸だ……と、幸せを比べっこする悪い基準になるデメリットも【良い思い出】にはあります。

 良い思い出にだって、メリットとデメリットはあるんですよ。

 備え付けの少ない収納の中身のほとんどが、思い出の品である場合はどうでしょう?

 本来収まるべきものが収まらず、使用頻度の高い生活の中で活躍している物には帰る家(収納)がなくて、普段全く使っていない思い出の物には一等地の家(収納)がある。

 物が多くて見つからないなど、この場所の収納を思い出が陣取ることで、この思い出の品は、あなたに何をもたらしてくれていますか?

 こことシッカリ向き合い、答えを出すことが大切です」

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