翻訳家でお菓子ブログを主宰している森嶋マリさん。夏に食べたいアジアンスイーツについてのお話を教えてくれました。レシピは果物たっぷり、かき氷器がなくても作れる、ベトナムのかき氷「チェー」です。  

夏ならではのスイーツを作りませんか?

 こんにちは! お菓子ブログ〈Single KitchenでSweetsを〉のmarinこと森嶋マリです。

 いやー、暑い、暑い。これを書いているいま現在、日本各地で身の危険を感じるほどの暑さが続いています。

 「日本はいつから、こんなに暑くなったの?」、「この調子でどんどん暑くなったら、どうなるの?」――ここ数年は、夏が来るたびにそんな言葉を耳にしている気がします。

 冬が苦手で、夏が好きな私も、この猛暑にはさすがに参り気味。普段はほぼ毎日使っているオーブンも、稼働率が一気に下がっています。

 では、お菓子作りをしていないのか? といえば、そんなことはなく、夏ならではのスイーツ作りを楽しんでいます。

常夏・アジアの国のスイーツがおすすめ

 暑い夏のおやつといえば、ひんやりドリンクとひんやりスイーツ。

 アイスクリーム、シャーベット、ゼリー、ムースと洋風のものもおいしいですが、ギラギラの陽光とじっとり高湿気のこの時期には、東南アジアをはじめとする常夏のアジアの国のスイーツがおすすめです。

 アジアのひんやりおやつは、欧米のおやつに比べると乳脂肪分が低めで、すっきりした味わいのものがたくさんあります。

 それに、南国ならではのフルーツも豊富。新鮮な果物を使ったさわやかなジュースを飲めば、心身ともにリフレッシュします。

ベトナム風フレッシュジュース「シントー」

果物と水と練乳でベトナム風ジュース「シントー」
果物と水と練乳でベトナム風ジュース「シントー」

 蒸し暑いアジアの国々では、フレッシュジュースの屋台をあちこちで見かけます。ベトナムではそういったジュースを「シントー」と呼びます。

 果物と水と練乳をミキサーにかけるだけで、あっというまに完成するシントー。

 練乳を使うのがベトナム風です。

 というか、東南アジアでは甘み+ミルキーな味わいを出すのに、常温保存できる練乳がよく使われます。

簡単ドリンク。インドの「ラッシー」

マンゴーラッシー
マンゴーラッシー

 簡単ドリンクとしてもうひとつおすすめなのが、インドのラッシー。

 日本でもインドカレーのお店のメニューにありますから、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

 でも、これまたミキサーがあれば、自宅でも簡単に作れます。

 ヨーグルトと牛乳、ハチミツをミキサーにかければプレーンラッシー。

 マンゴーやバナナなど、好みの果物をくわえれば、フルーツ味のラッシーのできあがりです。

台湾発祥「タピオカミルクティー」

台湾風タピオカミルクティー
台湾風タピオカミルクティー

 もうひとつアジアのドリンクとしてはずせないのが、タピオカミルクティー。

 台湾発祥のドリンクですが、甘いミルクティーともちもちのタピオカの組み合わせが女子にウケて、いまや日本でも大ブームです。

 かつては、「あのカエルの卵みたいなもの?」などと言われていたタピオカも、すっかり市民権を得ました。

 私もタピオカミルクティーが好きで、ときどき作ります。

 好きなのに、なぜ“ときどき”しか作らないのかといえば、大粒のブラックタピオカを茹でるのに、少し時間がかかるからです。

 いろいろな茹で方(戻し方)がありますが、基本的には1時間以上茹でるので、思い立ってもすぐに完成とはいかないのが玉に瑕。

 ちなみに、タピオカとはキャッサバの根から作られるデンプンのことで、料理のとろみづけや、お菓子などに使われます。某ドーナツ店のモチッとした食感のドーナツにも使われているそうですよ。

 そして、ミルクティーに入っているような丸い形状のものは、正確にはタピオカパールと呼びます。

ひんやりプルン。ゼリー系もおいしい!

 さて、ドリンクに続いて、ゼリー系はどうでしょう。

トロピカルなマンゴープリン

マンゴープリン
マンゴープリン

 まったりとした甘さが、いかにもトロピカルなマンゴープリン。

 これはもう日本でも定番ですね。

レモンのシロップでいただく「愛玉子(オーギョーチ)」

愛玉子(オーギョーチ)は台湾スイーツ
愛玉子(オーギョーチ)は台湾スイーツ

 ちょっと変わったところでは、さわやかなレモンのシロップでいただく愛玉子(オーギョーチ)。

 台湾のスイーツですが、日本の中華料理店で食べたことがあるという方もいらっしゃるかと思います。

 愛玉子(アイギョクシ)という植物の乾燥させた種から作ります。

愛玉子の種です
愛玉子の種です

 種を水に浸けて、10分ほど揉んでから、その水を1、2時間放置すると、あら不思議! ゼリー状に固まります。

 ゼリーそのものにはほとんど味がないので、黒蜜をかけてもおいしそう。

 飲み物に入れて、ゼリードリンクにもできそうです。

 愛玉子の種は日本ではまだ専門店でしか扱っていないのですが、もし手に入ったら、「火を使わずにゼリーを作る実験」といった気分で、作ってみるのも楽しそうです。

気軽に作れる。無糖の豆乳ゼリー「豆花(トウファ)」

 愛玉子より気軽に作れるのが、豆花(トウファ)。

豆花(トウファ)は無糖の豆乳ゼリー
豆花(トウファ)は無糖の豆乳ゼリー

 無糖の豆乳ゼリーです。

 昔ながらの作り方では入手困難な凝固剤を使いますが、いまはゼラチンなどで簡易的に作ることも多くなったようです。

 味付けやトッピングは国や地域によってさまざまですが、緑豆や小豆をのせて、シロップをかけるのは台湾風。

 食欲が湧かない夏場の栄養補給に取り入れたい1品です。

キンキンに冷えたものが食べたいときは……やっぱりかき氷!

 ドリンクやゼリーより、もっとキンキンに冷えたものがほしい――日中に外出したときなどは、そういう気分になることもあります。

 そんなときには、かき氷。

これぞ日本の夏。かき氷
これぞ日本の夏。かき氷

 シンプルに日本のかき氷もいいですが、東南アジアのかき氷なら華やかで具がたっぷり。ある意味で混沌とした(?)かき氷ですが、不思議なことにやさしい味わいです。

「ハロハロ」の正式な食べ方、知ってますか?

 東南アジアならではのかき氷。たとえば、フィリピンのハロハロ。

フィリピンのハロハロ
フィリピンのハロハロ

 日本のコンビニエンスストアでも「ハロハロ」という人気のスイーツがありますが、本場のものは具がてんこ盛り。

 無糖練乳をかけたかき氷の上に、色とりどりのナタデココ、煮豆、フルーツなどをこれでもかというぐらいのせて、仕上げに紫芋のアイスクリームをのせるのが一般的。

 甘く煮た豆のせいで、どこか懐かしくて、やさしい味になるのかもしれません。

 几帳面な日本人としては、盛り付けられた具を崩さないように、端のほうから順に食べていきたくなりますが、フィリピンの人にとってそれはNG!

 きれいに盛り付けてくれた人への気遣いはひとまず捨てて、食べるまえに、ガンガンかき混ぜます。

ハロハロを食べるときにはしっかり混ぜます
ハロハロを食べるときにはしっかり混ぜます
これくらい混ぜたら食べごろ
これくらい混ぜたら食べごろ

 ハロハロとはフィリピンの言葉タガログ語で“混ぜこぜ”という意味ですから、色とりどりな具がかき氷の中にすっかり沈んで見えなくなるぐらいかき混ぜてから食べるのが、正式な食べ方なんです。

 混ぜているうちに、氷がほどよく溶けるので、ガリガリのかき氷を食べると頭がキーンと痛くなる人(私です)にも、おすすめです。

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