アメリカの男性は、育児や子どもの教育に母親と同じくらい時間を費やしているのだとか。在米9年、アメリカ人の旦那様とニューヨーク州に暮らすMischaさんが、今のアメリカ人男性の子どもとの関わり方を紹介してくれました。(トップイメージ写真=iStock.com/AleksandarNakic)

離婚しても子どもと深く繋がる父親たち

 70年代の終わりに「クレイマー、クレイマー」というアメリカ映画が公開になりました(ウィキペディアはこちら)。原題はKramer vs Kramerで、クレイマーとは夫婦の姓。夫と妻が裁判で子どもの親権をめぐって争うことを意味しています。

 日本のテレビで何度も放映されたのでご覧になった方も多いでしょう。実は私はこの映画は中学1年生の時に映画館で同級生の友達と観たんですが、当時は友達も私もおませな子どもで、映画を観て単純に感動しました。

 ストーリーを簡単に言うと、妻が自立を求めて、家庭を顧みないエリート広告マンの夫と5歳の息子を置いて家を出る。父親と息子の二人だけの生活が始まり、最初は慣れない子育てに苦労した父親もやがては息子との間に強い絆を築いていきます。

 そんな頃、他州で仕事を始め、離婚した妻が息子を取り戻したいと戻ってきて、息子の親権をめぐって元夫婦が壮絶に争う裁判を始めます。結局は母親が親権を得ることになったが……というお話。

 父親が、どんな苦労をしてでも息子と離れたくない、別れた妻に渡したくないと奮闘する姿が印象的でした。後になって、こんな父親って本当にいるのかなと思ったのですが、実際にアメリカに住んでみると、父親が子どもの親権をとってシングルファザーとして生活している人は、そう珍しくないことがわかってきました。

 私の周りではそういった知人はいないのですが、テレビや雑誌ではたまに仕事も子育ても両立させるシングルファザーたちを見ます。

 彼らのほとんどが、「子どもが命」といった感じなんですね。

 実際どのくらいの割合でアメリカに親権を持つシングルファザーがいるかというと、こちらの記事中の統計では(離婚する男性のためのお役立ちサイト)、2010年の時点では離れて暮らしている元カップルのうち、子どもの親権を持つ父親の割合は17.8%となっています。

 また2012年時点での統計では、親権を持つ父親の28.8%が何らかの子育ての援助を受けているのに対し、母親の方は53.4%が援助を受けているという、母親寄りの結果が出ています。

 フェミニズムが進んでいるようで、意外にもまだ女性の立場が完全には男性と平等ではないアメリカでも、こと離婚となると、当然のように母親の方が子育てには向いていると思われているんですね。

 父親側が、皆子どもを引き取りたいわけではありません。しかし先のリンク先サイトによると、アメリカでは大多数の子を持つ男性がパートナーと別れる場合、たとえ相手とは良好な関係を続けることができなくても、子どもとは積極的にかかわっていきたいと思っているとあります。

 また、裁判では必ずしも両親の性別が判定に影響すべきではないというのが建前だが、実際には父親が不利になると注釈が入っています。

アメリカ国内の性差別(特に女性に対して)の分布です。色が濃くなるにつれ女性差別の強さを示しています。関連記事はこちら http://www.chicagotribune.com/news/nationworld/ct-america-most-sexist-places-20180821-story.html# アメリカについて語る時は、地域差が結構あって、全体を一般論として語るのが難しいケースがあります
アメリカ国内の性差別(特に女性に対して)の分布です。色が濃くなるにつれ女性差別の強さを示しています。関連記事はこちら 。アメリカについて語る時は、地域差が結構あって、全体を一般論として語るのが難しい一面もあります

 親権をめぐる裁判といえば、アメリカのタブロイド誌にはしょっちゅう離婚した大物カップルが子どもをめぐって争っている内容の記事が載るんです。

 どこの世界でも週刊誌はあることないこと書き立てるので真意のほどはわかりません。でもこういった記事が好んで出されるのはそれだけ世間の関心が高いということなんでしょうね。離婚後の有名人の父親たちが元妻や子どもとどう過ごしているかなど、いちいち記事になるのもアメリカらしいかもしれません。

ブランジェリーナ」の親権争いは週刊誌の常連です
ブランジェリーナ」の親権争いは週刊誌の常連です(「US Weekly」より)
ブランジェリーナ」の親権争いは週刊誌の常連です
ブランジェリーナ」の親権争いは週刊誌の常連です(「US Weekly」より)
こちらはアメリカでは有名な建築家。最近離婚したのでその後の生活が週刊誌に載るんです
こちらはアメリカでは有名な建築家。最近離婚したのでその後の生活が週刊誌に載るんです(「People」より)

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