クセが強め! 好き嫌いの分かれる「ウォッシュチーズ」

突然ですが、ウォッシュチーズってお好きですか?
大好き! という人と、絶対無理! という人に分かれるかもしれませんね。匂いやクセが強くて個性的なウォッシュチーズは、いわば納豆のようなもの。好き嫌いがハッキリあらわれるジャンルの食べ物だと思います。
納豆のよう、と言いましたが、ウォッシュチーズを熟成させているのは「リネンス菌」という納豆菌の仲間。だからああいうクセのある匂いになるんですね。
チーズ初心者の方や苦手なチーズがある方にも、マイルドなものをチョイスしたり、食べやすいアレンジを考えたりして、なんとか美味しく食べてもらえるように書いているこのコラム。ですが、ウォッシュチーズって主張が強くて、あまり応用が利かないのが難しいところ。納豆嫌いの人に納豆を食べさせるのも、大変ですもんね…。
ウォッシュチーズも色々。お料理に「ちょい足し」がオススメ
でも、ウォッシュチーズの中にも、そこまでクセが強くないものもありますよ。
前回ご紹介した今がシーズンの「モンドール」も、実はウォッシュタイプのチーズ。ウォッシュ独特の匂いは控えめで木のさわやかな香りがするので、エポワスは食べられないけどモンドールは食べられる、という人もいるかもしれません。
モンドールは加熱しても美味しいので、パンにのせて少しトースターで焼き、そこに蜂蜜とナッツを合わせると甘さと香ばしさがマッチしてさらに食べやすくなります。木の香りのチーズにナッツと蜂蜜なので、私は勝手に「森のチーズトースト」と呼んでおります(笑)

ほかにも、イタリアの「タレッジョ」なんかは比較的穏やかなタイプのウォッシュチーズ。食感がモチモチしているのでサラダやサンドイッチの具にもいいですね。
私のおすすめは、こうしたマイルド系のウォッシュチーズを料理に「ちょい足し」すること。ウォッシュチーズをメインに使うとお料理が完全に「ウォッシュの味」になってしまうのですが、アクセントとして使うとほどよく「ウォッシュ風味」になって、コクや風味が豊かになるのです。
グラタンであれば、シュレッドチーズの上にちょっとだけウォッシュチーズを乗せて一緒に焼く。パスタなら、クリームソースに少しだけ混ぜて風味付けする、といったように。

スーパーでも比較的手に入りやすい「ピエダングロワ」や「ショーム」なんかもマイルドで食べやすいので、初心者の方はぜひそのあたりから挑戦してみてくださいね。
お酒のおつまみというイメージの強いウォッシュチーズですが、選び方や食べ方を工夫して、お酒を飲まない方にも楽しんでいただけたらいいなと思います。

左から時計回りにエポワス、タレッジョ、モンドール、ランゴドール。全てウォッシュチーズですが、風味は全然違います。